立教大学は10月18日、ホームカミングデーを、同大学では初となる全面オンラインで実施した。ホームカミングデーとは同窓生やその家族などがつながるイベント。企画・運営の同大学校友会事務局に取材した。
事務局によると、ホームカミングデーへの参加者は年々増加。2019年度は過去最高の約8800人を記録した。
今年度は新型コロナウイルス感染症の拡大を避けながらも、楽しみを共有できる形態を検討した結果、全面オンラインでの実施となった。
「視聴した遠方在住の方からは、初めてホームカミングデーに参加できて嬉しかったというお声をいただきました。様々な理由で大学まで来ることができない方が、潜在的に多くいることを再認識しました」
参加者はこれまで60代以上が中心だったが、全面オンラインにしたことで、24歳以下の男性の視聴回数も増えたという。若い世代の参加をどう促すかについては長年の課題だったが、オンライン化により集客効果を上げることができた。
今回のホームカミングデーは「世界の校友と共に」のテーマのもと、全プログラムをYouTube Live2チャンネルとZoom1チャンネルの合計3チャンネルで展開した。
YouTube Liveチャンネル1では「世界の校友と同時中継!まさにいま現地の様子は?」や「宇賀なつみのカンパイ!赤裸々生トーク」など、ライブで配信。ゲストを招いた番組も配信した。
チャンネル2では「RIKKYO COOKING CLASS」や「理学部実験教室」など、動画で学べるプログラムで構成した。
一方、Zoomでは「DJ OSSHY LIVE RIKKYO FAMILY DISCO」を中継。
再生回数は、ホームカミングデー終了時は、3チャンネル合計で約1万回。ホームカミングデーが終わったあとも視聴があり、現在でも再生回数は伸びている(チャンネル2の各動画は、終了後アップし直したため、再生回数は少なく表示されている)。
「チャンネル1は配信時、最大で500名近い方が同時にアクセスしていました。これまでのホームカミングデーでは、1つのイベントに500名集まることは少なかったので、オンラインにしたことによって多くの方に見てもらうことができたと考えています」
全面オンライン開催するにあたり、悩みもあった。
「コロナ禍で、学生もなかなかキャンパスに来られず、様々な制限を強いられている中で、卒業生向けに楽しさを求めるイベントを企画してもよいのか、という葛藤はありました。しかし、自粛ですべての動きを止めてしまうよりも、学生たちにも学びとなり、楽しめるコンテンツ作りをしようという方針で準備を始めました。終了後もオンライン視聴できることには歓迎の声が多く、非常に嬉しく思いました」
校友会では、今回のオンラインホームカミングデーで経験したことを活かし、ほかの校友会行事(若手校友を対象に行っていた「若手校友交流会」や「ヨガ教室」など)においても、オンラインで再開していくことを検討している。
事務局には、次回以降のホームカミングデーも、オンラインと対面を併用した開催を望む声が多く寄せられている。
「対面で楽しめないことは寂しいことですが、オンライン開催のメリットを多くの方が実感した結果だと思っています。どのような状況においても校友とのつながりを継続していくことが校友会の使命です。どのようなことができるのか、さらに検討していきたいと考えています」
(蓬田修一)
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年12月7日号掲載