オンラインによる入学相談や説明会が増えている。
千葉市にある神田外語大学は、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、10月3・4日の2日間、2021年度の入学者選抜をオンラインで実施した。
オンライン入学者選抜を行ったのは、外国語とグローバルリベラルアーツの両学部。1987年に開学した同学は、これまで外国語学部のみであったが、2021年4月、グローバルリベラルアーツ学部が新設される。
外国語学部では、英語テスト(英語リスニング、英文法)を、専用のオンライン試験システムを使って実施した。
グローバルリベラルアーツ学部では、リフレクションシート(振り返り)の記入をGoogleフォームを使用して実施。
それに加え、両学部共通の試験として、プレゼンテーション、質疑応答、面接を、Zoomで行った。
受験生は、自宅などで受験した。受験生は事前に、ウェブカメラとマイクの環境が整ったノートPCまたはデスクトップPCを準備。スマートフォンの使用は原則として禁止とした。
英語リスニングや質疑応答・面接を行う際、明瞭な音声を確保するため、受験生にはイヤホン、ヘッドホンあるいはヘッドセットを使用するよう伝えた。
また、予期しないアクシデントに備えるために、電話連絡が可能な固定電話や携帯電話などの連絡手段の確保も求めた。
受験生に安心してオンライン試験に臨んでもらうため、9月30日と10月1日に、事前接続テストを行うと共に、オンライン英語テスト体験サイトや試験ガイドラインも公開した。
受験当日は、個室で受験することとし、試験中の第三者の同席や、途中退席は認めない。
大学側が指定した受験環境が保持できれば、自宅だけでなく、自宅以外の場所でも受験可能とした。
外国語学部において行った英語リスニングと英文法からなる英語テストは、早稲田大学発のベンチャー企業である株式会社空間概念研究所が開発したオンライン試験システムを利用。
同社は、東京・新宿区に本社を置き、第二言語習得に関わる教授法や、次世代型の検索エンジンなどの開発を行っている。
今回の英語試験で導入したシステムは、不正防止のためAIを活用。システムが受験生の様子を撮影し、不審な動きがないかAIが判断するようにした。
事前登録した顔写真と同一人物が受験しているかもAIが確認する。
1問ずつ制限時間を設け、時間内に解答がなかった場合は、自動的に次の問題に移行する仕様。
プレゼンテーションはZoomを活用。データ化した資料を見せながらプレゼンを進めるときは、Zoomの「画面共有」機能で映すようにした。
GLA学部においては、プレゼン終了後に、自身のプレゼンを振り返るリフレクション(振り返り)を行った。
受験生はリフレクションした内容を、大学側が指定したGoogleフォームに入力し送信した。その後、質疑応答・面接をZoomで行った。
11月にも、オンラインでの入学者選抜を実施していく。
(蓬田修一)
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年11月2日号掲載