Withコロナの保護者と学校の連携をめざして長崎県の川棚町立石木小学校(寺地久弥校長)は、全児童108名の小規模校で、「元気、活発、機敏、忍耐」を校訓として、自他の命を見つめ、豊かに表現し合い、共に高め合える児童の育成を目指して教育活動を展開している。
大型の電子黒板等のICT機器を教室に整備して、日常的なICT活用とともに、保護者・地域と学校の連携を深める取組を継続している。今年度は、コロナ禍において、保護者と学校のつながりを止めないためのオンライン教育に挑戦している。動画配信サイトを活用し、保護者が自宅や職場から授業を参観できるようにした。
「オンライン授業参観」は、新型コロナウイルス感染予防を図りながら、保護者と学校のつながりを継続させるための新たな手法である。動画配信サイトの限定公開機能を用いて、保護者や関係者のみが視聴できるようにした。授業全体の様子を視聴できるように教室の後方にカメラを設置して、あたかも保護者が教室後方から参観しているようにした。保護者には学校からメールを送信して、オンライン授業参観をお知らせしている。動画配信サイトを活用したことで、授業が終了した後でも保護者は視聴することができ、参観日に都合が付かない保護者も参観できるようになった。
授業にオンライン参観した保護者へのアンケートの結果からは、高評価のコメントや学校への感謝のメッセージが多く寄せられた。「実際に教室で参観するよりも、子供の自然体、普段の授業風景を見ることができたと感じた」など、授業参観の新たな方法の効果も明らかになった。これまでは職場の都合で学校に出向くことができなかった保護者もスマートフォン等から参観できたことは、保護者や地域と学校の新たな連携の形態となることが期待できる。
同校はこのほかにもコロナ禍での新たな手法に積極的に取り組んでいる。今年度更新した電子黒板を活用した「オンライン平和集会」や「オンライン全校集会」も実施。コロナ禍での三密を避けるとともに、この夏の熱中症対策としても効果的だったと寺地校長は話している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年11月2日号掲載