鹿児島県出水市は、主体的・対話的で深い学びの実現を目指して、オンライン学習に力を入れている。
児童生徒1人1台PC環境の整備だけではなく、その先にあるPCの有効活用を想定して、各学校の取組を支援している。
まず、コロナ禍での学校間の情報共有を深めるために、複数校でのWeb会議の活用を2019年11月から試験的に実施した。
出水市内の小規模5校(上場小、蕨島小、切通小、鶴荘学園、大川内小)の各校の通信状況を確認し、Web会議で教員間の情報共有が可能な環境を構築することができた。そして、学校間の交流学習を計画的に展開するよう、学校との連携をさらに深めた。
出水市立上場小学校(山﨑和正校長)では、昨年度まで、大川内中学校教諭が外国語科の授業を行っていたが、定数削減のため、今年度は学級担任が外国語の授業を行っている。
そこで、学級担任の負担を軽減し、児童の対話的な学びを充実させるために、オンラインを活用した外国語の授業を5月からスタートさせた。
同校は、児童数が14人の極小規模校である。児童のコミュニケーション力を高めるために、大川内小学校児童と英語による交流学習をオンラインで展開した。両校の児童は、達成感を味わうことができ、学級担任も外国語科の授業への自信を高めることができた。
出水市では、現在、中学校での1人1台PCの有効活用を試験的に検証している。
学校間交流に止まらず、個別最適化された学びを実現するための試みを進めている。今後は特に、中学校英語でのPC活用とオンライン学習を融合させた取組に期待したい。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年9月7日号掲載