文部科学省の2020年度2次補正予算には、特に感染症の拡大を警戒する必要がある地域において、家庭との連絡体制の強化に必要な経費も補助対象として盛り込まれている。また、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金では、ICT関連の教材・ソフト等幅広く活用することができる(3面参照)。連絡網機能を持つ各種クラウドサービスを利用している学校も増えているが、緊急時には何が起こるかわからない。いざというときの連絡手段は、複数持っておきたいところだ。
地域で学校を支える仕組みが求められている。10年以上にわたり全国の自治体・官公庁に、情報発信ソリューション「すぐメール」などを提供しているバイザー(愛知県名古屋市)は、教育委員会・学校向け連絡システム「すぐーる」を開発。2020年7月から提供を開始する。
現在提供している「すぐメール」は約7000校・園の導入実績があり、このうちの158件が教育委員会による導入だ。
これらの運用を経てユーザの声を反映し、アプリ化したものが「すぐーる」だ。
「すぐーる」では、教育委員会機能を強化した。教育委員会は、管轄の学校や教職員のほか、学校管轄下にある保護者に直接、一斉配信ができる。
従来、教育委員会は学校に依頼して様々な情報提供や調査を行っているが、それが教員負担増につながっている面もある。「すぐーる」では、災害や感染症などの緊急時に、教育委員会から一斉に学校と保護者に一報を出すことが可能だ。
ある教育委員会では3月の休校期間、「すぐメール」のアンケート機能により、保護者に直接オンライン授業のための家庭のネットワーク環境などを迅速に調査できたという。
休校による不安に関する相談などにも教育委員会として対応した。
スマートフォンを持たない保護者にも連絡できるように、専用アプリとメールに一斉に配信でき、連絡を一元化できる点が「すぐーる」の特徴だ。
保護者からの遅刻・欠席連絡は、教員の管理画面から一覧で確認できるので、学校は連絡を受けてシステムに書き込む必要がない。欠席者・遅刻者リストは印刷して共有。コロナ禍で必須であった健康観察もデジタル化して効率化を図ることができる。
PDF等電子資料の送付も可能。学校便りなどの紙資料は紛失することもあるが、アプリ上で一元管理できるので、必要なときに、過去のお知らせ等をさかのぼって閲覧できる。
保護者のスマートフォンにPush通信で表示されるので、保護者も学校からの連絡に気付きやすい点もアプリのメリットだ。管理画面で既読状態を確認し、未読の保護者には再通知ができる。
部活動や外国人世帯、コミュニティスクールなど様々なグループを必要に応じて拡張することができる。担当ごとに連絡を配信・やりとりができ、これらは学校や教育委員会も閲覧・管理できるので安心だ。
学年繰上げもワンクリックで完了。クラス編成変更の際はエクセルファイルで一括更新できる。
オプションで自動翻訳による外国語対応(8言語)が可能。日本語を理解しにくい保護者が多い地域にとって、自動翻訳できる連絡手段は重要だ。保護者向け「すぐーるの登録手順書」も8言語に対応。
学校で導入済の校務支援システムとの連携も検討中。■問合せ TEL0120-211-533
メール customer-support@visor.co.jp
■詳細=https://www.sugumail.net/sughool/
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年7月13日号掲載