休校期間中は多くの学校が大量のプリント教材を作成した。印刷業務の効率化を図ることは、教員の働き方改革に役立つ。加えてカラーによる視覚効果は、わかりやすい学習プリント作りに貢献する。教員のプリント作成の技術には素晴らしいものがある。オンライン学習に取り組んだ学校や準備している学校も増えているが、複合機のスキャナ機能は、オンライン教材やオンライン連絡プリント作成にも役に立つ。
ICTを日常的に活用している広島市立藤の木小学校では、休校期間中、カラー複合機が活躍したという。同校では、1・2年生の各教室と特別支援教室に各1台のA4カラー複合機「PX」があり、職員室には高速A3複合機「LX」がある。
普通教室のA4カラー複合機は教室用PCとつながっているため、教室内でプリントを作成、印刷できる。
職員室の複合機は主に3~6年生が活用しており、スピードが速く大量印刷ができる。
島本圭子校長は「カラー複合機は、休校期間の大量の学習プリント作りに大活躍しました。教科書の図や挿絵をそのままの色合いで印刷でき、印刷も速いので、教科書と関連した学習に有効なプリント教材を各教員が工夫して自由に作成できました。カラー印刷ができると、解答欄をすべて青で囲む、ポイントを黄色で囲むなど、視覚的な支援の幅が広がります」と話す。同校では5月からオンライン学習も開始。プリントと組み合わせて分散登校時の個別学習なども進めている。
同校の通常授業では、「めあて」「まとめ」を赤で囲んで学習を進めている。そこで宿題プリントも同様に、「めあて」「まとめ」を赤で囲んで印刷。
児童が教科書の該当箇所がどこなのか迷わないように、プリンターのスキャナ機能で教科書の一部をプリントに生かし、授業と同じようなイメージで学習できるように配慮。教科書の細かい地図やものさしやグラフなどの細かい目盛りもきれいに印刷できたという。
理科専任教員は自分のキャラクターを手書きで学習プリントに書きこんで児童にアドバイスしたり励ましたりなど工夫。4年生の理科では、4月当初の学習である桜の観察が難しいため、教員が毎日撮影した桜の写真をプリントに掲載。観察の代わりとした(写真)。
小学校1年生ではひらがなの学習がまだ進んでいないため、イラストや記号を多く使用。「めあて」「3回読んだらおうちの人にまるをかいてもらおう」「ふりかえりマーク」等をカラーにして、目立つようにした。
2年生の学習で、教科書の指定のページを視写するプリントには、同じ頁の教科書のイラストをカラーで印刷。アドバイスもカラーにして目立つようにした。
各クラスの担任が児童全員に往復はがきで手紙を送る際には、返信部分の住所や宛名、全員に送りたいメッセージなどをカラーで印刷。教員が記入するのはそれぞれの子供にあてたメッセージのみとした。
教室に常設したプリンターは、やむを得ない児童の預かりがある場合も、教室で校務や授業をしながら印刷できる。
A4カラー複合機「PX」及び高速A3複合機「LX」シリーズはいずれも印刷時に熱を使用しないインクジェット方式。レーザープリンターと比べて消費電力が少ない。すべての機種で大容量インクを搭載しており、インク交換作業の手間を削減できる。
エプソン販売では、機器本体購入不要で基本印刷枚数を月々の定額費用のみで運用できるプランや、使った枚数だけ課金するプラン、基本印刷枚数を超過した場合に導入機種内の最安値が適用される「グループ割引」などを各種提供している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年7月13日号掲載