新型コロナウイルス感染症による突然の休校を機に「GIGAスクール構想」の整備が大幅に前倒しになった。日本HPは6月30日、「GIGAスクール構想で自治体・教育委員会が考察すべきポイント~PC、ネットワーク、クラウド企業が集結!わかりやすくご紹介~」をテーマにウェビナー(Webセミナー)を開催。基調講演には、休校期間に保護者として学校対応を体験した教育ITライターの神谷加代氏を迎え、GIGAスクール構想に向けた整備のポイントについて、日本HPの松本英樹氏、日本マイクロソフトの仲西和彦氏、無線LANアクセスポイントを提供している日本ヒューレット・パッカードの斎藤翔太氏がPC、クラウド事業者、ネットワークとしての専門家の立場から講演した。当日は500人を超える教育関係者が視聴し、講演後の質疑も活発に行われた。
教育市場グローバルトップのHPは、GIGAスクール構想を機に、日本優先でPCを出荷する。日本HPでGIGAスクール構想を担当している松本氏は、欧米の教育ICT先進国で培ったノウハウを搭載した新製品の特長を話した。
GIGAスクール構想では、今年度中に約800万台のPCが配備される予定です。大量のPCを急速に整備できるのか、いつ納品できるのか。標準仕様書のPCでパフォーマンスは大丈夫なのか。多くの自治体では何かしらの不安を抱えながら、準備を進めているところではないでしょうか。
文部科学省・初等中等教育局の高谷浩樹課長(情報教育・外国語教育課)は、「コロナ禍でICTを使う自治体とそうでない自治体の間で子供たちの学びの差が大きく広がっている、このままではまずい、一刻も早く整備してほしい」という強いメッセージを伝えており、クラウド活用を前提とした教育モデルを設計しています。
そのために必要なものは、使いやすいPC、全員にアカウントを付与すること、高速大容量で機密性の高いネットワークを整備することです。日本HPでは、GIGAスクール構想に向けた整備を全力で支援していきたいと考えています。
HPは、世界で最も教育向けPCを出荷しており、教育向けPCのシェアは全米で31・9%と1位、世界シェアでも27・7%と1位です。GIGAスクール構想をきっかけに日本に優先的に出荷することが可能になり、十分な数を提供することができます。日本HPでは、GIGAスクール構想向けに新製品を開発し、8月から出荷が始まります。
長年、グローバル市場で先生や児童生徒の声を反映してPCを開発しています。教育に求められるものは堅牢性、バッテリー、通信しやすさの3点です。
新製品であるWindows10ProEducation搭載製品「HP ProBookx360」は、360度回転する2in1コンバーチブル型ノートPCです。
CPUも十分なパフォーマンスで、インカメラ、アウトカメラなど文部科学省の示すPCの標準仕様を満たしており、低価格でありながら十分なパフォーマンスが期待できるモデルです。
堅牢性には自信があります。
アメリカ軍の調達基準13項目(落下、衝撃、振動、粉塵、湿度、高度、高温、低温、温度変化等)をクリアしており、76センチからコンクリート床への落下テストをクリアしています。
筐体の側面はすべて柔らかいゴムで覆われており、一体成型で、外れることもありません。PCカバーは不要です。
表面は凹凸の加工を施しており、PC複数台を重ねた際も滑りにくい仕様です。
小学校低学年の場合、キーボードを定規等でいたずらをしてキートップを外してしまう、ということがありました。
そこで、キーボードは簡単に外れない設計としています。
防滴仕様で、350ミリリットルの液体がかかっても問題ありません。
バッテリーについてもこだわって開発しています。
16・45時間のロングライフバッテリーは、GIGAスクール構想対応PCの中ではナンバー1の長さです。
充電を繰り返しても劣化しない点も重要です。一般的なバッテリーパックは約300回の充放電設計であるのに対し、HPのPCは約1000回の充放電サイクルを設計寿命としています。
充電も高速化を図り、約90分でバッテリー残量0%から90%まで回復できます。
学習を円滑に進めるために通信速度は大変重要な要素です。
本モデルは、低価格PCでありながら、最新の高速通信規格であるWiFi6に対応しています。
これはGIGAスクール構想対応のPCとして、稀な仕様です。
WiFi6対応のAPと組み合わせると、8K動画のストリーミングが可能になるほどの速さが期待できます。
複数のPCを無線で接続した場合もつながりやすく、実行速度が向上する「MU―MIMO」(電波の干渉が起きないように位相をずらしてデータ送信できる)に対応しています。
独自開発のHPインタラクティブライト(背面ランプ)は、先生の意見から開発した機能です。ランプの色により、PCの状態を視覚でチェックできます。ネットワークにつながっている際は白、バッテリー20%以下は赤く点滅しますので、先生は、子供のPCの状態がすぐにわかります。
保証サービスは標準1年で、送料無料、梱包不要でピックアップに対応しています。これも先生のご要望に対応して提供している支援です。
オプションの5年間保証では3年以内にバッテリー交換サービスがあります。
米国において、PCを介した院内感染、学校感染の事例がありました。米国の疾病対策予防センター(CDC)は、様々なウイルス性呼吸器疾患の予防のため、PCや周辺機器の表面の清掃、消毒を推奨しています。HPでは、エタノールで1000回拭いても塗装が剥がれたり色が変わったりしない仕様としています。
子供は新しい学び方を、先生は新しい教え方を学ぶことが求められています。まずは日本においても世界各国と同様に、学校でも校外でも家庭でも、PCを紙や鉛筆のように文具として使って頂ければと考えています。▼問合せTEL0120・703・203 メール jpn_public_sales@hp.com▼詳細=hp.com/jp/education
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年7月13日号掲載