2015年から遠隔授業に取り組んできた鹿児島県徳之島町。既に6年目を迎えているが、当初からタブレットPCを家庭に持ち帰る取組を進めてきた。その長年にわたる継続的な取組が今回の新型コロナウイルス感染症対策として有効な手立てとなった。
当初から取り組んでいる花徳小学校(石川雅美校長)では、児童がタブレットPCを家庭に持ち帰り、臨時休校中の家庭学習に役立てた。4月から5月の臨時休校中では3年生から6年生の児童にタブレットPCを持ち帰らせ、家庭学習を支援した。WiFi環境が整っていない家庭には、学校で問題等をダウンロードして持ち帰らせるようにした。学習状況に合った問題を選択したり、自分のペースで学習を進めたりするように教員がアドバイスして、タブレットPCを家庭学習で有効活用できるように支援した。
5月に学校が再開されると、Web会議システムを用いた学校間の遠隔授業も再開した。お互いの考えを伝え合ったり、多様な考えに触れながら共同で学習したり、双方向のやりとりを通して、子供たちの思考力や表現力を高めるように、1人1台のPCと遠隔授業に継続的に取り組んでいる。
徳之島町では、家庭にWiFi環境がないから諦めるのではなく、子供たちの学びを止めないように学校で支援している。1人1台の環境構築に止まらず、家庭にPCを持ち帰り、家庭学習の支援につながる事例として参考にしてほしい。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年7月13日号掲載