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教育ICT

学びを止めないネットワークを設計する~現場に行かなくてもつながる環境に

2020年6月1日

1人1台のPC環境やオンライン授業もできる学習環境は、これまでとは異なるネットワーク環境が求められる。シスコシステムズは5月22日開催したオンラインセミナーで、学びを安全安心・円滑に行うための校内LAN構築のポイントやセキュリティの仕組み、オンライン授業の在り方について、9つのセッションで各製品担当が説明した。本セミナーは同社のWebで視聴できる。▼詳細=https://cisco.com/jp/go/education

「WiFi6」に対応 安定した無線LAN環境

1人1台の端末が「40台同時に通信できる」のは当然で、「つながる」だけではなく「安定して」つながることが重要だ。

無線LANは、5GHz帯を使用するほかの仕組み(気象レーダーや船舶レーダー等)やアクセスポイント(以下AP)同士の干渉、その他様々な干渉波と共存していかなければならない。予測は難しく、問題は突然起こる。チャネル設計の検討も必要で、どんなAPを選択し、どこに配置するか等の設計が何より重要だ。

従来モデルよりひと回り小さくなったAP「Catalyst9100」

従来モデルよりひと回り小さくなったAP「Catalyst9100」

WiFi6(802・11ax)に対応したAP「Catalyst9100」シリーズは、電波自動調整機能や誤検知防止機能など、自動でトラブルに対応してマンパワーによるトラブル対応を最小限にする自動化機能を強化している。干渉波の障害を事前に検知し、通信状況を判断して影響が大きいと予想される場合は60秒以内に別チャネルに切り替える。誤検知防止機能を2段階で搭載するなどレーダー等DFSを検知しても途切れずに接続できる設計とした。

規格が新しいほどキャパシティも大きく、ハイエンド機ほど多様な状況に対応でき、その他の無線APやスイッチ等の機能のパフォーマンスを生かす設計ができる。数年後のパフォーマンスを考慮して新しい技術であるWiFi6にぜひ変更してほしい。

外観にもこだわり、従来モデルよりもひと回り小さく、学校での利用にも最適だ。

●適切な設置で自動化機能を発揮

自動化機能は、APを適切な場所に設置することで機能を発揮する。

APの設置は照明器具のように、見える場所に設置してほしい。学校の状況にもよるが、AP同士の距離は15㍍程度、高さは3㍍が目安。天井裏の設置はお勧めしない。

●コントローラで電波状況を最適に調整

WiFiのすべての管理はコントローラが行う。AP全体の電波強度を相互に測定して最適に調整。安定した通信を確保する。シスコのコントローラ「Catalyst9800」は、ネットワークの渋滞を起こさない設計で、高レベルのセキュリティとトラブルシューティング機能を各種搭載した。さらにCisco DNA Centerと組み合わせれば、トラブルが起こった瞬間に画面キャプチャーをとって自動で解析、迅速に解決する。GUIは日本語に対応している。

無線APの管理について、オンプレミスで高度な管理が必要な場合Catalystのコントローラ型を、クラウド管理の場合は後述のMerakiを推奨している。

現場に行かなくてもつながる クラウドで短期導入・一元管理

新型コロナウイルス感染症対策による休校措置により夏休みや冬休みの短縮が想定されていること、第二波第三波への懸念から、現場に行かなくても構築でき、トラブル対応できる仕組みが必要だ。

シスコのクラウド管理ネットワーク製品「Meraki」は、WiFiに接続する端末をクラウド上で管理。現場に行く必要を極力減らし、短期間に構築できる。

教育センターにコントローラが不要で、将来AP数が増えても増設工事は不要。AP1台からフル機能を利用でき、遠隔管理で各校の利用状況や混雑状況を確認、設定できる。APやスイッチ、ファイヤウォールの設定をテンプレート化しておけば、新規構築時もミスなく管理できる。ネットワーク設定でAPの発注番号を入力しておくことで、学校でAPを開封して電源を入れ、接続するだけで開通できる。

可動時間は99・99%を保障。クラウドへの接続が中断されてもネットワークは可動する。

電波が健全かどうかも色別ですぐにわかり、管理画面から問合せもできる。日本語による電話問合せにも対応を開始した。機器構成を保守業者とシスコが共有しているため、対応も迅速だ。数年後のパフォーマンスを考え、MerakiのWiFi6対応機種を検討してほしい。お勧めはMR46 。下位互換性がありWiFi5(11ac)対応端末でもパフォーマンスが向上できる。スイッチもMerakiにすることで各段にパフォーマンス向上ができる。

Meraki特設サイトでは、事例やWebセミナー、無償トライアルを案内している。

校内外で同一ポリシーのセキュリティ対策を構築

これまではセンター集約型に対応したセキュリティの仕組みを構築していた。今後は、GIGAスクール構想の1人1台のPC活用に対応した対策が求められる。必要となる4つのセキュリティ要素「アンチウイルス(類似機能)」「デバイス管理(MDM)」「コンテンツフィルタ(類似機能)」「フィッシング等IDを搾取する攻撃対策」のうち、前者2つは「GIGAスクール構想」で補助対象。それに加えて後者2つの機能が必要だ。

まず、課題を把握して対策を行う必要がある。例えば普通教室から1人1台端末でアクセスする場合、これまでのセキュリティ対策であるプロキシでは過負荷が生じる可能性があり、無線APやスイッチの性能を活かすことができない可能性がある。また、自宅学習で各家庭から直接インターネットにアクセスする場合のセキュリティ対策の検討も必要だ。シスコの「Umbrella」は、DNSの名前解決を利用した新しいセキュリティーソリューションであり、それをDNSサーバとして利用するだけで運用できる。クラウドサービスなのでハードウエア不要で短期の導入が可能だ。校内・自宅など子供の居場所に関わらず、同一のセキュリティポリシーで対策ができ、Umbrella管理コンソールから一元管理もできる。

導入パターンはいくつかある。最もシンプルな方法は、端末のDNSサーバがUmbrellaになるように設定すること。また、ネットワークデバイスでDNSのリダイレクト設定することも可能だ。Windows、iOS、Choromebookなどの持ち帰り端末へのセキュリティ対策には、それぞれの端末ごとに対応するエージェントを用意しているのでインストール、または端末OSと連携することで可能になる。

GIGAスクール向け特別オファーと従来からの文教向けパッケージの2つのライセンス体系を用意。前者は、GIGAスクール構想で調達される児童生徒の端末台数によるもので、児童生徒の端末10台につき1ライセンスとしてカウントされる。後者は、教職員数によるライセンス契約となり、児童生徒分は無償だ。

●多岐にわたるMDMの役割

MDMの役割は端末の利用準備、監視、セキュリティ担保と多岐にわたる。シスコのMDM「Merakiシステムマネージャ」は複数台の端末インストールやアップデートなど設定を一括で配信できる。

アプリインストールの制限、授業の時間帯はLINEをオフにする、接続するSSIDの制限等の設定管理ができる。利用状況の可視化や紛失デバイスの追跡も可能。持出し禁止の端末には位置情報から判別してアラートを出したり、データを削除したりができる。MerakiAPと共に使用すれば、自動で学内WiFiに接続できる。

マルチOS対応だが、WindowsもChromeも包括ライセンスでMDMを提供していることから、iOS版について説明する。iOSアップデートで授業に支障をきたさないようにネットワーク側で制御が必要であることを知っていただきたい。購入時、販売店にAppleSchoolManageに端末を登録したい旨を伝え、対応してもらえば、キッティングの時間を短縮できる。

セキュリティを最優先 Webexで遠隔授業

各大学では新型コロナウイルス感染症拡大による休校措置のため、オンライン授業等の構築が急速に進んでいる。

シスコのWebexはセキュリティを最優先したWeb会議システムだ。クリックするだけでWeb会議やオンライン授業に参加でき、投票機能やテスト機能でオンライン授業中に理解度を測ることもできる。

大きく3つのサービスを教育機関向けに提案している。「Meeting」「Training」「Events」。対面式ブレイクアウトについては、夏にリリース予定。

LMSとも連携。カレンダーと連携して出席評価やフォローアップも可能だ。

他社とは違い同シリーズのビデオ会議端末Roomシリーズも提供している。AI連携により自動的に進化する仕組みで、代表的な機能は、顔認識や音声コマンド、自動テキスト起こしなど。常に最新ツールが提供されるので設備投資を最大限有効に活用できる。

大規模人数向け講義を「Events」とビデオ会議端末で配信すれば、カメラが自動で教員を追尾。映像合成もできる。対面会議に匹敵する高品質なビデオ会議システムDeskProはデスクトップ型。間もなくリリース予定だ。

●導入ステップ

トライアルを各種発行している。高等教育機関向けには国立情報学研究所(NII)と一緒に180日無償サービスをリリース。文教価格も合わせて提供している。

▼テストサイト=www.webex.com/ja/test-meeting.html

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年6月1日号掲載

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