レノボ・ジャパンは、GIGAスクール構想に向け、児童生徒1人1台PCのための専用PCを発表した。PCは4モデル(WindowsOS2台、ChromeOS2台)を新規で提供。現行機種と合わせて5モデルが「GIGAスクール構想」の仕様書基準を満たしている。このうち2台をGIGAスクールパック対象製品として、教材コンテンツと管理の仕組みなどをパッケージ化。GIGAスクール構想「基本モデル」として提供する。
「GIGAスクールパック」対象の2製品は、WindowsOS「IdeaPad D330」と、ChromeOS「300eChromebook2ndGen」。これらのいずれかと、クラウド活用を前提とした教育コンテンツをパッケージ化した。
GIGAスクール構想におけるPC整備の補助金には、有償のソフトウェアは含まれない。しかし、円滑な活用のためにコンテンツは重要だ。そこで、コンテンツ等については、NTTコミュニケーションズ、アドビシステムズ、東京書籍の協力を得て提供する。
日本マイクロソフトの梅田成二氏(コンシューマ&デバイス事業本部 デバイスパートナー営業統括本部長)は「日本マイクロソフトでは、GIGAスクール構想向けにライセンスやプログラムを開発している。今後もGIGAスクール構想の実現を全力で支援する」、GoogleJapanのスチュアート・ミラー氏(アジア太平洋地域マーケティング統括本部長)は「1人1台環境は教育のあるべき姿。本パッケージでは教育向けに開発した最新のChromebookを提供している。丈夫で高速で安全に活用できる」と話した。パッケージ内容は以下。
WindowsOS「IdeaPad D330」は10・1型脱着型2in1。タブレットの天板部分をキーボード側に向けて接続するとテントモードになり、ビューワとしても活用しやすい。
タブレット前面に200万画素2Mp、背面に500万画素5Mpのカメラを搭載。バッテリー最大約14・3時間。タブレット単体で660グラム、キーボード付属で1・135キログラム。キーボード装着時の厚みは18・5ミリ。
別途、LTEモデルも対応。
ChromeOSの2020年モデル「Lenovo300e Chromebook 2ndGen」は11・6型の回転式2in1。用途に合わせてラップトップモード、テントモード、スタンドモード、タブレットモードが可能でビューワとしても使いやすい。
75センチからの落下テスト済で堅牢・防滴設計。
インカメラHD(ハイビジョン)720p。アウトカメラ500万画素。バッテリー約10時間。本体約1・32キログラム。本体厚み20・35ミリ。
教育クラウドサービス「まなびポケット」の基本機能(シングルサインオン・学習履歴管理等)と授業支援システム(SchoolTaktGIGAスクール版3年利用ライセンス)、授業記録・共有システム(BANSHOT)、個別学習ドリル教材(eboard)を提供。
学習履歴管理機能では学校別・クラス別などの活用状況を可視化できるので、必要な学校に重点的にサポートできる。
ポスター等を作成できるSparkPost、文章・写真・動画を組み合わせたWebページを直感的に作成できるSparkPage、スライドショームービーを作成できるSparkVideoを提供。授業に合わせてカスタマイズできる教員向けツールもある。
教材と指導ガイドをパッケージ化した「みんなでプログラミング」初級コンテンツ(小学校1~3年生)及び中級コンテンツ(小学校4年生~中学生)を東京書籍と共同開発。Web・冊子・アプリを提供する。ガイドや評価基準なども提供。
いずれもChromeクラウドベースの管理手法を提供。
PCやアプリの初期設定、コールセンター、保守サービス、バッテリー交換、5年間もしくは3年間のPC保証などの運用支援サービスや、まなびポケットのその他の教材コンテンツ等多彩なオプションを用意。GIGAスクール構想「応用モデル」で提案する。
GIGAスクール構想対応PCは新規で4機種提供。現在販売中のWindows10モデル「IdeaPad D330」(GIGAスクールパック対象製品)含めて計5機種が対応している。
GIGAスクールパック対象製品「Lenovo 300e Chromebook 2nd Gen」の上位機種「500e Chromebook 2nd Gen」はLenovo電子ペン付属。
新たに教育モデルとして10・1型「Lenovo 10e Chromebook Tablet」を追加。
本体約520グラム、9・45ミリの薄型軽量設計。最大約16・5時間の長時間バッテリー。キーボード付きケース付属。キーボード、タッチパッドは防滴設計。
11・6型回転式の「Lenovo 300e 2nd Gen」は2in1のWindows10モデルでActivePenを同梱。ペンは本体のスロットに収納できる。
1人1台PC、クラウド、教材を一体で提供し、創造性を育む教育を本パッケージで支援したい。
1人1IDで個人の環境を提供し、教育現場に負担感のない効率的な管理を目指し、次の3つのコミットに取り組んでいる。
▼1人1台時代に向けた必要で十分な機能の低価格PCの提供 ▼クラウドをフル活用して教職員の負担を軽減できる提案 ▼利活用向上のための教育コンテンツを含めた提案。
インドでは3か月で150万人に導入した。日本では、大分市教育委員会、横浜市教育委員会、埼玉県教育委員会に導入しており、創造的な学びが始まっている。
2019年10月にスマートエデュケーション推進室を立ち上げ、教育ICT分野に、さらにコミットの強化を図っている。新しい取組に慎重な方が日常的に活用できる仕組みが必要と考えてパッケージに協力した。GIGAスクール構想は、教育を変えていくトリガーになる。文部科学省が提示する学びの変容のイメージを実現するために各自治体で求められているICT活用の目標を達成できるように全力でサポートしていく。
GIGAスクール構想は山を動かす大きな追い風だ。紙の教科書に代えて使用できる「学習者用デジタル教科書」の活用も容易になる。本パッケージでは、2020年度から始まる小学校プログラミング教育教材を協力して開発している。わくわくするような学びの体験を提供したい。
教育機関には無償でAdobeSparkを提供しており、世界中の学校で1800万人の子供たちが活用している。
AdobeSparkは、手軽で楽しい、創造的なプレゼンツールで、安全に共有することができる。
教員向けにカスタマイズできるツールも用意した。
Adobeとして、子供たちがよりクリエイティブになる支援に貢献していく。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年4月6日号掲載