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教育ICT

正多角形でプログラミング学習 白いサッカーボールに色付けする<柏市立手賀東小学校・千葉県>

2019年11月5日
特集:小中学校プログラミング教育開始に備える

柏市立手賀東小学校(佐和伸明校長・千葉県)では、1人1台の端末環境を生かしながら主体的・意欲的に思考力を高める算数科の在り方について授業改善に取り組んでいる。10月21日に開催された第2回校内授業研究会では4年生と5年生の授業を公開。4年生ではiPad、5年生はタブレットPCを活用。プログラミング体験も盛り込んだ。どちらも授業の終わりには「確認テスト」で数問のテストを行った。

隣合う辺が等しい正五角形と正六角形をプログラミングして白いサッカーボールに帖った

隣合う辺が等しい正五角形と正六角形をプログラミングして白いサッカーボールに帖った

5年「正多角形と円周の長さ」では、サッカーボールが登場。1人1つのサッカーボールを配ると早速、何角形なのかを数えている児童もいる。

授業者の佐和校長は、皆に配ったのとは異なるサッカーボールを見せた。すべて白いサッカーボールで、「このボールの正多角形に色をつける」ことをこの日の課題とした。

正多角形の描き方について、これまでの既習事項--円を利用して正五角形や正六角形ができたこと、折り紙を使って正方形、正八角形、正十六角形などができたことなどをふり返った後、サッカーボールの「正五角形」「正六角形」をこの方法で作成できるかどうかを考える。隣り合う一辺が「同じ長さ」であることに気付かせ、1人1台のPCでScratchを使って取り組んだ。

まずは「正方形」のプログラミングに挑戦。150歩進んだところで止まっている蝶の「続き」をプログラミングした。

授業者は「すごいやり方をしている人を見つけたよ!」と、「繰り返しコマンド」を使って作成している児童を紹介し、電子黒板に2人の児童の端末画面を提示。「繰り返し」を使用しているものと使用していないもので、「正多角形の性質を理解することで『くりかえし』コマンドが使用できる」と話した。

次は「正三角形」だ。さきほど「90度」とプログラミングして成功した児童は「60度」と入力。実行すると、皆失敗して笑い出す。「なぜこうなったのか、3人で考えよう」と、考える場所を指定した。その場所には、「蝶が150歩進んだ状態」を1メートルのテープを張った直線で表現。そこに大型三角定規のセットがあり、自分の身体を使って何度回れば良いのかを確認した。児童は「60度だとうまくいかない」「逆向きの60度」と気付き始め、回す角度である120度にたどりついていった。

次に挑戦したのが「正六角形」だ。「さっきの失敗を生かせばすぐにできそう」と、すぐにクリアする児童もいる。完成した児童はカラープリンターで印刷して切り抜き、ピンクやブルーの正六角形を白いサッカーボールに貼っていった。

佐和校長は、「正六角形や正五角形ができるだけでは、プログラミングの良さはわからない。指定した大きさを作ることで、プログラミングの良さに気付けるようにした」と語った。

身近なもので問題作り
「面積」で「おおよその量感」を身に付ける

1平方メートルと100平方センチメートルを教室に掲示

1平方メートルと100平方センチメートルを教室に掲示

4年算数は「面積の図り方と表し方」。平均正答率が低い「おおよその面積」に関する授業改善に取り組んだ。
この日の課題は「身近にあるものの面積を推測」して「量感を身に付ける」こと。教室には、新聞と比較した「1平方メートル」と正方形のメモ帳「100平方センチメートル」を掲示して「見当をつける」目安としている。

児童は、学校にある身近なものを端末で撮影し「問題」と「ヒント」を作成してペアで問題を出し合った。4人の児童が校内外で撮影した問題は「電子黒板用のペンケース」「ティッシュボックス」「マウスパッド」「本」だ。互いに問題を配信し合って考え、わからなければヒント映像も提示。ヒント映像には書籍やペンケース上にメモ帳を重ねたもので、これも児童が作成。児童は選択肢から「おおよその面積」を選ぶ。

自作した問題を送り合っておおよその面積を考える

自作した問題を送り合っておおよその面積を考える

2問目は、より大きなものを出題。「壁画を描いた学校の倉庫」「サッカーゴール」「ロッカー」「マラソンコースの門」などで、ヒント映像は、側に友達が立っている写真だ。

児童は、電子黒板に問題画面を提示して「どのように考えておおよその面積を判断したのか」について説明。学校内外の身近なものを選んで写真を撮影して問題作りをすることで、主体的な取組につながっていた。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年11月4日号掲載

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