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教育ICT

元気な小規模校を増やす!<6>「小規模校連携で学びを豊かに」鹿児島大学大学院 山本朋弘准教授

2019年12月3日
連載

鹿児島市内で小規模校連携

音楽で遠隔合同練習し、音楽会に合同で参加

音楽で遠隔合同練習し、音楽会に合同で参加

鹿児島市は小学校79校、中学校39校の中核都市だ。1000名を超える大規模校がある一方で、小規模校も多い。小規模校では、鹿児島市内の近隣の学校や同じ小規模校とWeb会議でつないで、遠隔授業を継続的に展開している。

市内山間地の錫山中学校は生徒数4名、桜島の黒神中学校は生徒数2名の極小規模校である。

2校の遠隔授業では、英語での対話活動や言語活動、スピーチ、プレゼンテーション発表等、さまざまな活動を行っている。Web会議上で発表した内容は、住んでいる地域の紹介、自分の夢や目標、連休や夏休み、修学旅行の思い出、鹿児島のお勧めの観光スポット等、多岐にわたる。生徒はそれぞれ準備を行い、目的意識と相手意識をもって発表に臨んでいる。また、発表した内容等についてお互いに質問し合い、対話を楽しんでいる。
遠隔でALTと学ぶ

ALTが来校した際に学校間をWeb会議でつなぐことで、ネイティブな発音で学習する時間はより多く生み出される。授業では、ALTによるプレゼンテーション発表等を聞き、様々な英語表現を学んだり、異文化理解等を深めたり、疑問に思ったことを質問したりしていた。

音楽で遠隔合同練習

黒神中学校では、近隣の東桜島中学校とWeb会議で接続して、音楽科で遠隔授業を進めている。この2校は、鹿児島市主催の音楽会に例年合同で参加しており、合同練習を遠隔で進め、練習の機会を増やした。昨年の音楽会の映像等を視聴させて、今年の音楽会に向けた意欲を高めていた。両校でやり取りをしながら、今後の練習計画を見通すようにしていた。

規模が異なる学校同士の遠隔授業では、お互いのニーズが異なり、継続しにくいことが多い。鹿児島市の取組では、小規模校同志が同じ目的でつながることで継続しやすくなっている。

中核市にも小規模校

小規模校は離島や山間地の学校をイメージしやすいが、中核市にも小規模校は存在しており、小規模校の割合は増えている。そんな小規模校の抱える教育課題には、コミュニケーション力不足や集団の固定化などが挙げられるが、鹿児島市の小規模校は学校間で連携しながら確実に解決できる方向性を見いだそうとしている。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年12月2日号掲載

元気な小規模校を増やす!鹿児島大学大学院 山本朋弘准教授

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