業務用無線LANのフルノシステムズ(東京都墨田区・中谷聡志代表取締役社長)は、2019年10月3日に35周年を迎える。
設立当初から「全体最適化」を目標に、無線ハンディターミナルから始まった機器メーカーとして「途切れない無線」を実現してきた。転機となったのが「A地点からB地点に移動し、再度A地点に戻った際に以前の接続状態を再現する」などを可能にする無線をコントロールするミドルウェア「MPRS」の開発だ。当時、他にはない技術として評判を呼んだ。この技術が、現在の無線AP管理システム「UNIFAS」の前身となった。
「UNIFAS」は、コントローラ等のハードウェアではなくソフトウェアで管理できるため、無線APの一括設定や死活監視(動作状況の継続的監視)、逐次ログ収集、不正AP検視などの遠隔管理ができる。夏休みはAPの機能を止めるなどのスケジュール管理も可能だ。スイッチを入れると予め指定したエリアの無線APを開放することができる「防災無線LANソリューション」も、UNIFASにより実現した技術だ。
学校や教育委員会を対象向けサービスとして、クラウド管理型無線LANサービス「UNIFASクラウドアカデミック」の提供を開始する。
無線ネットワーク管理システム「UNIFAS」をクラウド化することで、複数拠点の無線LANの統合管理を実現。ICT機器を活用した授業に必要な無線LAN環境を地域の複数の学校に展開できる。従来のオンプレミス(自社運用)型ネットワーク環境構築の際に必要とされていた、各拠点へのコントローラや無線LANスイッチは不要。様々な認証方式に対応し、導入費用や管理・運営の手間を削減できる。Windowsのバージョンアップやパッチ対応なども提供する。
ユーザは、発注から2週間程度で無線LANを活用できる。将来的に1つのサーバで複数のユーザを管理が可能。オープン価格。
高品質動画対応アクセスポイントも新発売する。「ACERA1150i」は、動画教材や発表資料など、iPadの画面をワイヤレスで大画面に提示。NHK for SchoolやYouTubeをiPadからストリーミング再生ができる。
Windows版「ACERA1150w」も提供。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年9月9日号掲載