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教育ICT

新しい学びとセキュリティ確保 最新の教育クラウドが支援する

2019年5月17日
日本マイクロソフトパブリックセクター事業本部 文教営業統括本部 中井陽子統括本部長

日本マイクロソフトパブリックセクター事業本部 文教営業統括本部
中井陽子統括本部長

文部科学省では教育情報セキュリティポリシーに関して、パブリッククラウドを想定した内容を盛り込む方針だ。強力なネットワーク基盤構築のため、学術情報ネットワーク「SINET」を初等中等教育段階にも開放した際の活用についても検討を始め、教育クラウド活用による「新しい学び」を推し進める。それに伴い各自治体では環境整備の見直しと予算確保が喫緊の課題となる。教育機関向けのICTソリューションとして「Microsoft 365 Education」を提供している日本マイクロソフト・文教営業統括本部の中井陽子統括本部長に、同社が提供する最新の教育クラウドソリューションと、最新版を活用することの重要性について聞いた。

最新の教育クラウドは予算確保に貢献する

■日々進化するテクノロジーに対応する

国ぐるみで初等中等段階での教育クラウド活用の推進が始まっています。最新の教育クラウドの利便性とその安全な活用について納得していただけるような情報提供ができればと考えています。

1つめのメリットが、予算確保に貢献できるのではないか、という点です。3クラスにつき1クラス分の学習者用端末等を配備するには、多くの予算が必要で、「文部科学省の示す基準達成は難しい」という声も聞きます。確かに、これまでの感覚で学習者用端末、教員用端末に加えて、管理ソフトやセキュリティソフト、各種教材ツール、サーバの構築・拡大などを積み重ねていけば予算は膨大になります。しかしテクノロジーは日々進化しており、クラウド活用を想定することでこれらを精査、よりシンプルな整備が可能になるのではないでしょうか。

「Microsoft 365 Education」はWindows10、Office365、デバイスやアプリの管理、セキュリティ対策をクラウドで提供するEMS(Enterprise Mobility + Security)、子供たちに大人気のMinecraftの教育版Minecraft:Education Editionで構成されており、協働学習や教務管理、プログラミング学習などができるソリューションです。

ステップモデル校プロジェクト(※)による全国9か所の小中高の実証校では主に低価格帯のタブレットPC8機種でMicrosoft 365 Educationを使った授業を実践したところ、とても円滑に教育クラウドを活用していました。「PowerPoint」に3D画像を盛り込んで発表資料を作る、「OneNote」でお互いのノートを見ながら発表資料を共同編集する、「Teams」で仲間や学校外のメンバーとファイル共有をしながらディスカッションをする、「Forms」でアンケートをして自動集計するなどの協働作業やコンテンツのアウトプットの作成、発表など一連の学習ができていました。

他にも武蔵野大学附属千代田高等学院(東京都)の情報科の授業では、ドローンで3D測量し、校舎をMinecraftで制作する授業など自由な活用を行っています。

最新版のPowerPointでは、画面録画機能で反転授業用のビデオ教材も作成できます。多言語翻訳にも対応しており、日本語をその場でリアルタイムに英語に翻訳し、字幕として表示することも可能です。

Windows10では、ミラキャストを標準でサポートしています。これは無線でディスプレイの情報を伝送できる標準技術で、ケーブル接続なしでPCの画面を大型提示装置に提示できるので、PCの置き場所を選びません。

ユニバーサルデザインに配慮した「UDデジタル教科書体」もWindows10から標準で入っています。OS標準搭載であれば、契約を含めた導入コスト、インストールなどを気にする必要がありません。(※ステップモデル校プロジェクトwww.ictmayors.jp/topic_stepmodel)

■最新のセキュリティを自動で更新できる

ウイルス対策「Windows Defender」もWindows10には標準で搭載されています。全世界のマイクロソフトの社員のPCに入っているのはこれだけです。

クラウド活用の際に懸念されるセキュリティ対策ですが、自動で最新のセキュリティ対策が施されることがクラウドの最も大きなメリットと言えます。ウイルススキャンのスケジュールを設定することもできます。

Windows Defenderは単体のソフトウェア名ではなく、ウィルス対策を含めた、セキュリティ全体のブランド名として使用しています。

■教育クラウドでデータ量は無制限に

クラウドを活用することで端末が保持する情報は最低限に、複数デバイスを容易に使い分けることができるようになります。

Microsoft365 Educationで提供しているクラウドストレージ「SharePoint Online」は、容量無制限で使うことができるので、ファイル容量を気にすることなく、安全に教材や書類を保存できます。

■迅速・効率的なアップデートのために

Windowsアップデートに時間がかかる、と言われることがありますが、現在はスリープ状態でアップデートできるようになるなど日々進化しています。ただしPCを長期間起動しないと更新プログラムが蓄積されますので、定期的に起動して更新することをお勧めしています。

■クラスルームペンを学校向けに提供

子供の活用を見ていると、ペンとキーボードを使い分けて入力する様子が見られます。タブレットPC上でのノートテイキングなど、タッチペンによる入力は学校に必須であると感じています。 そこでマイクロソフトでは、教育機関向けに「Microsoft クラスルームペン」を4月より発売しています。子供の手の大きさに適した長さで、耐久性の高いものです(20本8万5800円・1本当たり4290円・税別)。

■最新ブラウザで最新環境に対応する

1月にScratch3・0がリリースされた際、多くの学校で活用されているInternet Explorer(以下IE)がサポート対象外となったため、プログラミングの学習環境をどうすればいいのかが話題に上りました。

Windows10では、Webを取り巻く技術革新や市場の変化、日々更新されるWeb標準仕様、セキュリティ対策に根本的に対応するため、IEに代わりMicrosoft Edge(以下Edge)を標準ブラウザとしています。Scratch 3・0はEdgeで問題なく動作しますし、これから生まれてくる新しいWebサービスもまず間違いなくお使い頂けますので、ブラウザの利用をIEに限定されている教育委員会や学校では、Edgeへの切り替えをご検討いただければと考えています。

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年5月13日号掲載

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