毎年行われている政府統計「平成30年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査」が始まっている。本調査の質問事項が今回、大きく変わった。「平成30年度以降の学校ICT環境整備方針」等に倣った文言の使用に加え、文科省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」参照の有無についての質問も追加。調査「教員のICT活用指導力等の実態」も分類が変更され、文言はほぼ全面改訂。より具体的な表記となっている。調査基準日は平成31年3月1日。各教育委員会は6月4日までに文部科学省に提出が求められている。なお調査結果は例年秋頃、速報値が公表されている。
調査「教育用PC等整備の実態」では「大型提示装置を設置している教室等」の数が聞かれている。なお可搬型で整備・活用している場合は二重計上にならないよう、主に使用している教室をカウントする。実物投影機やWiFiのAPについても同様だ。
教育用PCは「指導者用」「学習者用」に分けて質問。「学習者用PC」については、そのうち「可動式」が何台か、「可動式のうちキーボードを有する」もしくは「SIM内蔵」PCが何台かも聞いている。
校務用PCも、教育用PCと二重計上しないが、技術的に情報セキュリティが確保されている場合(仮想デスクトップの導入等)は、教育用PCと校務用PCを二重計上できる。
学校向け教育情報セキュリティポリシー策定の有無の項目では、「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」(平成29年10月18日 文部科学省)の参照の有無についても質問。
「統合型校務支援システム」については2つ以上の機能を有し、かつ教務系の機能を有しているものと定義。教職員等が作成したエクセルやアクセス等のマクロプログラムは含まない。
利用が増え始めているパブリッククラウドについては「不特定多数のものが利用することができ、例えば、通信関係企業等のWebサイトに置いているシステムを様々な機関や個人が利用しているといった形態」、プライベートクラウドは「特定の限られたものだけが利用でき、例えば、学校や教育委員会等のWebサイトに置かれたシステムを特定の限られたものが利用している形態」と定義している。
調査「教員のICT活用指導力等の実態」は、A~Eの5分類からA~Dの4分類となり、文言がほぼ全面改訂されている。これまでE分類だった校務活用はA項目に吸収され、「教材研究・指導の準備・評価・校務などにICTを活用する能力」となった。
これまでのD分類「情報モラル教育を指導する能力」は「情報活用の基盤となる知識や態度について指導する能力」に変更。各項目「できる」「ややできる」「あまりできない」「ほとんどできない」についても個別に例を示している。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年4月1日号掲載