Society5・0に向けた人材育成について討議していた「Society5・0に向けた人材育成に係る大臣懇談会」(座長・林芳正文部科学大臣)は6月5日、新たな時代を豊かに生きる力の育成に関するタスクフォースによる取りまとめを公表。「『公正に個別最適化された学び』の実現」、「基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力のすべての児童生徒の習得」、「文理分断からの脱却」が「Society5・0」を支える人材育成に向けて早急に取り組むプロジェクトであるとした。文理分断への取組として、すべての高校生が選抜を経てオンライン・オフラインで参加可能とする「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム」も創設する。
スタディ・ログ等を蓄積した学びのポートフォリオの活用、異年齢・異学年集団での協働学習、飛び入学及び早期卒業等の活用促進を図る。EdTechとビッグデータの活用推進に必要なガイドラインも策定。
新学習指導要領の確実な習得のため個別最適化された振り返り学習など指導方法の改善や効果的な指導を支える教材、ICT環境、EdTechの整備を加速し、学習支援を充実。スタディ・ログ等を蓄積した学びのポートフォリオを活用する。教員免許制度の在り方を見直す。
小中高を通じてデータ・サイエンスや統計教育を充実。大学入学共通テスト(2024年~)に「情報」を追加することについて検討を開始。
STEAM系を専攻するAIのトップ人材や専門人材を育成する。
学年にとらわれない多様な学びとSTEAM教育やデザイン思考を強化。学生が共通的に学ぶリベラルアーツと学生が選択する人社系、STEAM系、保健系等の専門分野について、学部を超えて提供される構造とする。データ・サイエンスの基礎となる確率・統計やプログラミング、理科と社会科の 基礎的分野を必履修とする新しい高等学校学習指導要領の確実な習得とともに、微分方程式や線形代数・ベイズ統計、データマイニングなど、より高度な内容を学びたい高校生のための条件整備等を行い、文理両方を学ぶ人材を育成。そのため、AP(アドバンスト・プレイスメント)も含めた高度かつ多様な科目内容を、生徒個人の興味・関心・特性に応じて、履修可能とする高校生の学習プログラム/コースを「WWL(ワールド・ワイド・ラーニング)コンソーシアム」として創設。高校生6万人あたり1か所を目安に、各都道府県で国公私立高校等を拠点校として整備。すべての高校生が選抜を経てオンライン・オフラインで参加可能とする。
※スタディ・ログ=電子化・蓄積した学びのポートフォリオ。これに伴いCBTの導入を含めた全国学力・学習状況調査も改善する。デジタル教科書、デジタル教材、CBT導入等を進める観点からもICT環境の整備やICT人材の育成・登用を加速する。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年7月9日号掲載