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教育ICT

高校生向けプログラミングデザインワークショップ開催

2018年4月2日
新学習指導要領とICT活用

産官学連携で「授業レシピ」開発

慶應義塾大学SFC研究所ファブ地球社会コンソーシアム内の高大連携教育ワーキンググループ(以下、高大連携WG※)は3月17日、奈良県立磯城野(しきの)高等学校で、県内の高校生向けに第1回ワークショップ「つくりかたの未来講座」を実施した。県内5校から集まった34人が7グループに分かれ、高大連携WGが開発した「授業レシピ」と各種ICT機器を活用し、「掃除を楽しく」という課題をテーマにプログラミングやデザインに取り組んだ。

アイデアを引き出しグループ協働で実現

奈良県内5校34人の生徒がチームでプログラミングに取り組む。県内外の教員も研修として参観した

自己紹介の後にテーマを設定。1人1台でタブレット端末を活用し、各グループに1名のメンターがサポート。掃除の印象、掃除の課題、課題へのアプローチを話し合う。続いて「アイデアスケッチ」でアイデアを引き出し、共有してチーム内でのコミュニケーションを進め、実現性等からアイデアを決定。アドビのデザインソフト「Illustrator」、トロテックの3Dレーザーカッターを使ってデザインを考える担当、ソニーのブロック型電子タグ「MESH」が実際に動くようにプログラミングする担当、オープンプラットフォームカメラ「OLYMPUS AIR」やiPadを使い、レシピ共有サービスサイト「Fabble」に制作プロセスを記録・プレゼンテーションする担当に分かれて作業。最後に作品を発表した。進行役は同研究所の渡辺ゆうか研究員。

あるチームは、掃除にどう愛着を持たせるかを考え、キャラクターを育成するゲームを計画。掃除をせずに放置していると部屋の中にゴミがたまり、キャラクターがゴミまみれになる。掃除機のヘッドが振られ、手の温度で持ち手が一定以上の温度になったとき掃除をしていると感知するシステムをプログラミング。ほうきにMESHを付け、一定量動くと音楽が鳴る仕組みを考えたり、一定時間掃除道具を動かさないと本人、家族、友人に通知が届く仕組みを考えるチームもあった。

初対面の生徒もいたため初めは静かな話し合いだったが、次第に発言が活発になり、主体的に協働する様子が全てのグループで見られた。「またこうした授業を受けたい」との生徒の声がほとんどだった。

ワークショップは「教育実践研修会」としての位置付けで県内外の小中高校から約20名以上の教員が参加。気付きや感想を共有した。奈良県立教育研究所副所長の石井宏典氏は、「学校の枠を超えて生徒が集まり学ぶこと、教員も生徒と同じ土俵で学びを体験することに大きな意義がある。来年度から、全校で全国平均レベル近くまでICT環境整備を進める。さらに各校にこうした学びを広げていく」と話した。

※アドビシステムズ、奈良県教育委員会、ヤマハ、トロテック・レーザー・ジャパン、慶應義塾大学SFCで構成

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年4月2日号掲載

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