近畿大学は、ドワンゴ、角川ドワンゴ学園「N高等学校」と平成29年11月に包括連携協定を締結し、互いの強みを生かした教育研究の振興や人材育成に取り組んでいる。
第一弾として今年2月5~9日、近畿大学東大阪キャンパスにおいて、同大学の学生を対象にした課外講座「プログラミングブートキャンプ」を開催した。講師を務めたのは、ドワンゴのサービス「ニコニコ生放送」の開発にエンジニアとして携わり、N高のプログラミング授業の講師も務める吉村総一郎氏と折原ダビデ竜氏の2人。
N高が公開している「N高ブログ」でも、今回の「プログラミングブートキャンプ」の様子を紹介している。
参加したのは、これまでプログラミングに触れたことのない近畿大学の学生37人。プログラミング言語であるHTML、Java Script、CSSの文法をゼロから学び、Monaca(アプリ開発プラットフォーム)を利用して、iPhoneやAndroid向けのオリジナルスマホアプリを開発した。
キャンプ前半の3日間は、Java Scriptの学習や演習課題に取り組み、if文、for文、配列や関数、オブジェクトを学んだ。後半2日間は、学習した内容を活かして、スマホアプリの開発に挑戦。N高でプログラミングを教えているTA(ティーチングアシスタント)3人が参加者をサポートした。
参加した学生たちは初心者にもかかわらず、自由な発想で、次のようなユニークなオリジナルアプリを開発した。▽合コンでの話題を提供するアプリ▽スロットアプリ▽実験用のモル計算を行うアプリ▽音ゲーアプリ▽カクテル辞典アプリ▽アドベンチャーゲームアプリ▽オススメのランチ判定アプリ▽動体視力トレーニングアプリ▽旅行先決定アプリ▽合コンの席決めアプリ▽シャーペンの芯を出すアプリ
このほか各種バラエティに富むアプリが開発された。参加者の多くは「自分で作ったアプリが動いて、とても感動した」との感想を持ったという。今回のキャンプ参加をきっかけに、N予備校(ドワンゴが提供しているeラーニングサービス。生放送授業や教材がスマホに最適化されている)のプログラミングコースを利用して、今後さらにプログラミングを学んでみたいと考える学生も多くいたようだ。
ウェブサービスやスマホなどの普及によって、ITサービスが一層身近になった今、プログラミングの技術や知識などの情報活用能力は、様々な仕事と密接な関係を持つようになった。今回のような取組を通じて、学生がプログラミングの知識や経験を持つことは、様々な可能性の拡大につながりそうだ。(蓬田修一)
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年4月2日号掲載