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学校施設

中1からのキャリア教育 自分の興味をカードとグラフで可視化 葛飾区立常盤中学校

2024年2月27日

未来に「何をしていたいのか」
イメージして夢を持つ大人に

「自分は何が好きなのか」を知り、進路を考えよう--東京都葛飾区立常盤中学校(平岡栄一校長)では1月13日、1、2年生を対象に外部講師を招いたキャリア教育が実施された。カードを使ったり仕事の実際について話を聞くことは生徒にとって印象深く、自分の未来を描くきっかけとなる。

‘自分の好き’を知る

講師はキャリア教育の出前授業をボランティアで行っているDual Earth(デュアル・アース)の3人。この日は土曜日。体育館で、1時間目は1年生5学級に向けて授業が行われた。

Dual Earth代表の髙橋卓也氏が「自分の好きを知る」「興味のわく仕事を考える」が今回の授業のゴールであることを伝えた。自分が‘好き’なことと、他の人が‘好き’なことが異なるからこそ、さまざまな仕事で人それぞれが活躍することができる。

そこで今回は『OHBY』(職業)カード<製作:(独)労働政策研究・研修機構>を活用して自分の‘好き’を考える。1人1箱ずつ配られ、箱に入った48枚のカードには、表面にさまざまな職業のイラストや写真、反対の面には職業の紹介文と共に職業領域ごとに色分けされている。

カードの職業はアニメーター、医療事務員、稲作、外交官、科学者など幅広い。まず絵柄だけを見て、直観でその職業を「選択する」「考え中」「選択しない」の3つに分類していく。カードを分けることが自分の特性に気付くきっかけになる。

カードを直観で振り分ける

次に「選択しない」に分類されたカードを見る。「やりたくない」ことの方が特性が現れやすいという。カードの裏面を見て、職業の領域の色を確認する。赤(現実的領域)、紫(研究的領域)、青(芸術的領域)などの6色から、一番多い色が「あまりやりたくない仕事」の領域となる。

そして「選択する」に振り分けた職業カードの色ごとの枚数を数えてグラフを作成し、自分の興味のある領域を視覚化した。その領域にどんな仕事があるのかを「結果・整理シート」で確認する。生徒たちは自分のグラフと、それに該当する仕事を興味深く見ていた。

カードを活用し結果をグラフ化

「働く」の実際を講話で

1,2年生合同で講話を聞く

1,2年生合同で講話を聞く

Dual Earthの講師3人は、普段はそれぞれ別の職業に就いている。そこで2時間目は2年生も加わり、仕事についての講話が行われた。それぞれの中学生時代、仕事での気づき、転職、仕事への想いを語った。

なお2年生は昨年度もDual Earthによる授業をオンラインで受けている。毎年継続して授業を受けることで、自分の将来についてより関心を高めることにつながっているようだ。

 

1年生は3時間目には教室に戻り、“自分が興味や関心を持っていること”“自分の性格”などに関する60の質問に「はい」「いいえ」「どちらでもない」で答え、向いている職業について診断する「適職発見ゲーム」、また「将来デザインシート」として、来年の今頃・高校生・20歳・30歳・50歳・70歳に、あなたは何をしている?を考えて記入する取組も。

1年5組担任の笹木健一朗教諭は「キャリア教育は重要であり時間の確保が厳しい中でも、外部講師を招きインパクトのある授業を行うことで、生徒の脳裏に焼きつけ、考えるきっかけにしたい」と話す。

なおこの日、2年生は12月に実施した職場体験の報告会を、また3年生は間近に迫った受験に備え、地域の有識者の協力を得て面接の練習を行う「有識者面接」を実施。全学年で進路について考える1日となった。

 

輝く日本人を増やしたい

Dual Earthのみなさん

Dual Earthのメンバー。代表の髙橋氏(中央)、青木氏(左)、永野氏(右)

Dual Earthのメンバー3人は、‘夢を持って仕事をすることでその人自身が輝く、そんな日本人を増やしたい’との思いでキャリア教育に取り組んでいる。中学生を対象にしている理由として、髙橋氏は「多くの人はいざ就職を目の前にすると、社会的評価や年収などを優先し、自分の好きなことが見えなくなりがち。しかし早い段階で自分の好きなこと、興味のあることを深めることで、夢を持って社会に出ることにつながる」と話す。

また「今回の授業で自分が興味を持ったことを大事にして欲しい。昨年好きだったことが今も好きなら、それを大切に育て欲しい」(青木愛子氏)、「はじめから職業という枠の中でではなく、まずは“好きなこと”として捉え、その上でどんな職業があるかに目を向けると良いのでは」(永野めぐみ氏)と語る。

問合せ=email:takataku7@yahoo.ne.jp

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