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学校施設

食の指導とICT活用、ナッジ理論による実践~千葉県船橋市立海神南小学校栄養教諭 上野理絵氏

2025年3月17日
第3回学校給食(施設管理)向上セミナー

ナッジ活用し他の教員巻き込む食育

ナッジ理論などを取り入れて食育活動を展開している、千葉県船橋市立海神南小学校の上野理絵栄養教諭は「食の指導とICT活用、ナッジ理論による実践」をテーマに講演した。

船橋市立海神南小学校栄養教諭 上野理絵氏

第4次食育推進基本計画の重点事項にも記載されている「ナッジ」は人々がより良い選択を自発的に取れるように手助けする手法を意味する。実践の4つのポイントは、Easy、Attractive、Social、Timelyの頭文字をとった「EAST」。

Easyは内容や手続きがシンプルで分かりやすいこと。例えば、アンケートの回答を自由記述から選択式にすることで、行動の難易度を下げる。

Attractiveは魅力的な選択肢を用意すること。行動したくなる要素を入れることで、一目見た時に関心を持ってもらうように注意を引く。

Socialは社会的な行動だと意識させること。周りの人が取っている行動ならば同じように行動する傾向がある。

Timelyは適切なタイミングで行動を促すこと。相手の心が開いたタイミングで働きかけた方が効果は大きくなる。

ナッジ理論の実践として‘サンマの骨の写真を撮りたいと児童に伝える’事例を紹介した。写真に撮ってほしいという気持ちが児童に生まれ、給食のサンマをきれいに食べるようになった。以来、魚を出すと骨を見せにくる児童も増えた。

「今日のみそ汁のだしは何?」というクイズを出すと、正解したい気持ちが湧き、みそ汁を完食することにつながった。

同校ではICTを活用した食育としてロイロノートを活用し、一言メモと盛り付け図を毎日配信。給食の時間に教室の電子黒板に投映し、みんなで観賞している。

教科との連携にも取り組んでいる。奈良県産の柿を給食に出した際は、3年生・国語で登場する俳句「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」を映し、柿の産地を当てるクイズを出題。担任と児童の会話のきっかけにもなった。

6年生が家庭科で考えた献立を給食に取り入れた時は、児童が書いたワークシートを撮影し、一言メモと一緒に配信。また4年生・社会科「しょう油づくり」を学んでいる時は給食で使用するしょう油の容器やラベルを写真に撮って配信した。

「効果的な食育の実践には担任や管理職等の教員を巻き込むことが重要。ナッジは大人も巻き込む力があるので、難しく考えず、まずは実践してほしい」と語った。

第3回学校給食(施設管理)向上セミナー

 

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年3月17日号掲載

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