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防災教育への視点 一般財団法人防災教育推進協会 理事長 濱口和久~第7回「大雪と安全対策」

2025年3月17日
連載 防災教育への視点

情報チェックし準備が可能に

今年の冬は例年にない雪の降り方だった。大雪により被害が出た地域もある。

地震のような災害とは異なり、大雪が降る可能性は事前に気象予報などで知ることができる。気象庁では、テレビやラジオ、ホームページを通じて、大雪警報や大雪注意報、暴風雪警報や風雪注意報、着雪注意報、なだれ注意報や融雪注意報などを発出する。雪の降る前や降雪時は、このような情報をこまめにチェックし、常に最新の情報に基づいて、「外出を控える」「早めに帰宅する」などの状況判断が必要となる。

そこで、家族(自分)でできる対策について以下に述べていきたい。

積雪により流通が止まることを前提に、水・食料・燃料(灯油)などを一週間分備蓄する。持病の処方薬を切らさないように、少し多めに持っておく。長期停電に備えて、使い捨てカイロ、予備電池、懐中電灯、携帯ラジオなども常備。カセットコンロや湯たんぽも暖をとるのに有効だ。

夏の時期に家屋等(カーポートやビニールハウス)の耐雪化を行い、スコップなど除雪用具を常備する。雪の影響で道路が渋滞し、何時間も車内に閉じ込められることを想定し、トランクルームに備蓄品を携行しておく。

また雪道を歩く際は、歩幅を狭くし、つま先とかかとを同時に地面に付ける。滑り止めや深い溝が付いた靴を履き、手袋をして、両手はいつでも使えるようにしておく。バスやタクシー乗り場、横断歩道、歩道橋、タイル張りの建物は、特に滑りやすい状態になることが多いので注意する。

屋根の雪下ろしや自宅周辺の雪かきなどの除雪作業では、毎年、全国で多くの犠牲者が出る等、事故の危険が伴うため、除雪作業を行う際には、細心の注意を払う必要がある。

太平洋側の平野部、特に東京をはじめとする都市部の人たちは雪に慣れていないため、わずかな積雪でも転倒して怪我をしたり、救急車で搬送されたりしている。

このような事故を防ぐためには、靴底に滑りにくくするグリップがある靴を履く。転んだ際の被害を減らすために、帽子・手袋・厚手の防寒具を身につけ、撥水性・防水性に優れた靴を履くことも必要だ。万が一、滑ったときには、尻もちをつくように転ぶと頭を打ちにくくなる。

最後に、人間の力では雪が降るのを止めることは不可能だ。ならば、地震対策と同じように、雪に対する備えも怠るべきではない。

第1回 日常防災の必要性

第2回 正しい避難行動と防災知識

第3回 自然災害への向き合い方

第4回 史料から災害を読み解く

第5回 「稲むらの火」と「世界津波の日

第6回 専門性とスキル 国が認証へ

 

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年3月17日号掲載

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