(公財)日本財団ボランティアセンター(ボラセン)は、技術系災害ボランティア人材の育成を行う専門施設「日本財団災害ボランティアトレーニングセンター」(VTC)を3月7日、茨城・つくば市に開設した。災害支援に関する専門技術を持つボランティア人材の育成と、災害発生時に必要とされるショベルカー等の重機の貸し出しという実践的な機能を併せ持った国内初の施設として期待される。
つくば市に3月7日、開所したVTC
災害発生時の救助活動やその後の避難生活支援等では、最初に必要とされるのは倒木や倒壊家屋、がれき等を撤去するためのショベルカー、ダンプカー等の重機。しかし実際の被災現場では重機が足りないばかりでなく、重機を操作できる人材が限られていると報告されている。
訓練に適した広大な敷地で重機を操作する
その問題解決に向け同財団は2年間の準備期間をかけてVTCを開設。16台の重機を配備、さらにチェーンソー等も扱うなど実践的な作業訓練を提供。消防や自治体の訓練の他、ボランティア活動に関心のある学生や一般市民の受講も開設。初心者向けから専門技術習得まで各種講座で受け付ける。VTCは「これまで消防・警察・自衛隊など政府機関を中心に災害支援がなされてきた。学生・社会人・シニアなど様々な市民が災害支援スキルを習得することで、『市民の力』で災害支援能力の強化と基盤の構築を目指す」という。
講座例【座学】=災害ボランティア研修・入門編、避難所運営と炊き出し支援、被災後に関する法制度など。【実技】=重機講習、災害危険木処理、家屋再生に使用する工具や資機材の使用方法など。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年3月17日号掲載