警察庁自殺統計原票データによると小中高生の自殺者数は近年増加傾向が続き、2024年は527人(暫定地)で前年から14人増え、統計のある1980年以降で最多だった。内訳は小学生15人(2人増)、中学生163人(10人増)、高校生349人(2人増)。
これまでの統計では自殺者が増える長期休業期間や年度末・新年度を迎えることから文部科学省は2月28日、「児童生徒の自殺予防に係る取組について」通知した。各教育委員会及び学校は、1人1台端末等の活用による心の健康観察などで早期把握に努め、児童生徒の自殺の未然防止に取り組むことが求められている。さらに、学校が把握した悩みや困難を抱える児童生徒や、いじめを受けたり、不登校となっている児童生徒等に対しては、長期休業期間中でも機会を捉えて児童生徒との面談の実施や、保護者への連絡、家庭訪問等を行うことで継続的に児童生徒の様子を確認するよう求めている。
「1人1台端末を活用した心の健康観察」について文科省は、1人1台端末等を活用して無償・有償で利用できる健康観察・教育相談システムを整理し同省HP等でも公表。さらにGoogleフォーム、Microsoft Formsを活用して同様のアンケートフォームを作成するマニュアルを作成している。
通知はこの他、教育相談体制の構築や学校を中心とした組織的な対応、相談窓口の周知及び自殺予防教育の実施、保護者に対する家庭における見守りと相談窓口の周知、保護者・地域住民の参画や関係機関等と連携した組織的な見守り活動を強化、ネットパトロールの強化、進級・進学等に係る学校間の丁寧な引継ぎを求めている。
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教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年3月17日号掲載