今年度の補正予算で文部科学省は体育館等への空調(エアコン等)整備を加速するため、新たな臨時特例交付金を創設。学校施設の避難所機能を強化し耐災害性の向上を図る。現在、公立小中学校体育館等の現在の空調設置率は都道府県による差が大きく、設置率が最も高い東京都は88.3%なのに対し、1%に満たない県もあるなど全体では2割に届かない。
交付金は予算額779億円。対象は2033年まで、公立小中学校、義務教育学校、中等教育学校・前期課程、特別支援学校の体育館や武道場で、400万円以上7000万円までの算定割合1/2。空調設備の新設(工事費用含む)。避難所指定を受けている学校で、断熱性が確保されていることが条件。
公立学校体育館等の空調設置率は18.9%(2024年9月現在)にとどまっているが、「国土強靭化のための5か年加速化対策」では年間進捗率は3.4%、2035年までに95%に引き上げる中長期目標が掲げられている。
文科省は先ごろ、学校施設の防災機能の強化・実装に向けた取組の一環として、全国の学校体育館等への空調整備を加速化するため、公立小中学校の体育館への空調整備事業について解説した動画をYouTubeで公開。新設した交付金の説明だけでなく、発注や整備方法の工夫で短期間の工事により学校行事や授業への影響を最小限に抑制できること、比較的安価な断熱・遮熱対策を採用して全体のコストを抑える方法や、断熱性を強化することで空調使用のランニングコストが低減できることなどの内容となっている。
動画で空調整備事業について解説する政務官・金城泰邦氏
同動画を参考にして、文科省は各自治体が学校体育館への空調整備を進めてほしいとしている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年2月17日号掲載