若者の薬物乱用は増加傾向にある。薬物の有害性について正確な知識を持ち、自らの決断で薬物の誘いを断れるようになることが必要だ。(公財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターは、中学生~指導者・保護者向けの啓発資料『あなたに知ってもらいたい 薬物のはなし』を刊行。薬物問題の基礎から最新の状況と課題を解説する。
『あなたに知ってもらいたい 薬物のはなし』 B5版、64頁 税込880円。 申込は同センターHPから
厚生労働省の調査によると、2023年の大麻事犯による30歳未満の検挙人員は過去最多。そのうち20歳未満が占める割合は25.5%で過去最多であり、2014年より15.6倍に増えている。
同教材は、大麻だけでなく、乱用薬物として覚醒剤やコカインなど、どのようなものが乱用薬物としてあるのか、その危険性を紹介。さらに市販薬の乱用、いわゆる「オーバードーズ」についても解説。深刻化し、特に10代の若者による乱用が増える中、市販薬の乱用による依存の危険性も取り上げる。
大量摂取による意識障害など具体的に示す一方、医師による処方薬についても適正な使用を呼び掛けている。他に日本と世界の薬物事情をはじめ「合法化の国があるくらいだから安全?」「1回くらいなら薬物を使っても大丈夫?」「誘われたらどうすればいいですか?」等の疑問に分かりやすく答えている。
同センターは薬物乱用防止教室にも取り組む他、対象年齢に合わせた映像教材(DVD)も制作し、小中高で活用されている。最新版は『Think about drugus!~私たちの選択~』(税込2300円)。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2025年2月17日号掲載