前期試験と追再試も終了し、落ち着いて授業に臨めるようになってきました。実技試験という加点が助けにならなかった学生もいたようです。少しの練習で、実技の実力が付くのですが、なかなか難しいようです。再度、補講をする予定で、集団調理実習の手助けになればと考えております。
献立として成立しやすい組み合わせで授業を進めていますが、コロナ禍以前と比べ、指導者側の予想をはるかに超えた上から反応してきます。自己肯定感の強い学生も多く、当初はこちらの指導を異なった形で実行し、失敗し、教え方が解りにくいと言っていました。しかし徐々に慣れてきたのか、相談や質問をしながら理解しはじめているようです。
常識は変化するものですが、こちらが当たり前に思っていたことが理解されず、異なった意味で受けとられてしまうようです。まるで非常識なことを言っているようにとられることもあり、考えて言葉を発するように注意が必要になりました。
調理実習とは、調理学と調理科学に基づいた調理法を駆使して料理を作り上げることと、将来、栄養士として現場で活かせる技術や理論を学んでもらう授業です。
今回取り上げるのは、ハンバーグです。調理方法の一つとして、オーブンに入れて最終加熱し、中心温度が75℃以上になるように仕上げます。スープはパンプキンポタージュ、バルサミコドレッシングの葉野菜のサラダを組み合わせ。人参のグラッセや、クルトン、マッシュルームソースの作り方も学びます。
ハンバーグとハンバーグステーキの違いやひき肉に塩を加え混ぜる事により、決着成分のアクトミオシンが生成される事、玉ねぎやパン粉、卵、牛乳を加える効果等を説明し、実際に作ってもらいます。付け合わせのフライドポテトはシャトーむきにしたいのですが、時間的にむずかしく、今回はくし型切りのまま揚げてもらいました。
ガスの直火と電磁調理器、電子レンジ、ガスオーブン、また使用する鍋や器具類はソースパンを2種類、ソテーパンも2種類、フライパン2枚、ターナーやスパチュラ、ゴムベラと数多くあるので、使い分けまで覚えてもらいます。指導する側も、間違えないように気が抜けません。
写真は学生の実習風景です。試食タイムは楽しそうに食べています。スマートフォンで自分たちの作った料理の写真を撮り、カメラを向けると、レンズに向かってピースサインをして満足そうな顔をしてくれています。
今後の授業も頑張ってほしいものです。
【著者】澤坂明美=管理栄養士。女子栄養大学香友会と業務提携し『プロカメラマンとフードコーディネーターに教わる料理写真講座』を継続開催、女子栄養大学認定料理教室等を主宰する。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年11月18日号掲載