先ごろ文部科学省が公表した2023年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」によると、小・中・高・特別支援学校で認知された、いじめの件数は73万2568件(前年度68万1948件)、1000人当たりでは57.9件(53.3件)、いじめ重大事態の発生件数は1306件(919件)で、いずれも過去最多となった。
いじめ発見のきっかけは「アンケート調査など学校の取組」によるものが50.3%。特に小学校では54.7%に上り、いじめ発見に至る有効な手法となっている。また「本人からの訴え」も19.4%で2割近い。高等学校は32.8%、中学校は27.8%で3割前後に上ることから、身近に相談・訴えができる体制整備の重要性がうかがえる。
いじめをうけた児童生徒への対応を、各校種の認知件数に対する割合からみると、小中学校では「学級担任や他の教職員が家庭訪問」が最も多く、「教育委員会と連携」、「別室を提供、常時教職員が付くなど心身の安全を確保」などが行われた。高等学校では「スクールカウンセラー等が継続的にカウンセリング」が最も多かった他、「別室を提供、常時教職員が付くなど心身の安全を確保」「学級担任や他の教職員が家庭訪問」などは小中学校と同様だった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年11月18日号掲載