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続・おいしい献立写真 調理実習の現場から 第4回「小さなことを大切に指導」

2024年10月21日

和食の盛り付けは伝統とセオリーを理解して慎重に

後期授業が始まりました。前期授業の終盤から各自が名札をエプロンに着けてくれたのである程度、識別できるようになりました。

また実技試験の際に8名ずつ10分間、手元や姿勢を見ていたので、それぞれの特徴も少しわかってきました。前期ペーパーテストも終了し、新たな思いで実習に取り組んでくれているようです。

和食献立を後期授業の最初に組み入れ、操作手順を習得してこれからの集団調理実習の手助けにと考えました。秋のお祝い献立として利用できる組み合わせです。

試験前の様子

後期 和食献立

糯米丸子

 

前期授業の最後は、「糯米丸子」(もちごめまるこ)というひき肉団子のまわりに水戻ししたもち米をまぶし蒸した料理を作成した他、「お赤飯」と「赤魚の煮魚」・「きゅうりとわかめの酢の物」・「かき玉汁」という献立でした。秋は、敬老の日からはじまって、秋のお祭りや七五三といったお祝いに関する行事が山積みです。就職先として学校や保育園、福祉施設、病院といった各職場でも生かせるはずです。

今回は、使用食材を敢えて減らし、切裁という作業より、調理法を理解することに重点をおきました。「お赤飯」のコツは、ささげや小豆を煮だした汁の色をもち米に染み込ませ蒸し上げることです。

炊きおこわではなく蒸しおこわにし、加熱調理中の打ち水の効果を学びます。「赤魚の煮魚」では、切り身魚の下処理をし、臭み抜きの方法と煮方や落し蓋を利用する事を学び、「きゅうりとわかめの酢の物」では、きゅうりの塩もみによる水出しと生わかめ(塩蔵わかめ)の戻し方や処理方法を、「かき玉汁」ではすまし汁の味付けと、でんぷんでとろみをつけ、汁の具を浮かせる方法を学んでもらいます。

煮魚

酢の物盛り付け

学生実習風景


今回の授業では、和食の配膳の際の器の位置も指導しています。和食は特に伝統的なセオリーを大切にしています。ご飯と汁物の配置や、主菜と副菜の置き場所等、決まり事を守ることも料理にかかせません。

盛り付けにも決まりごとはあります。例えば、魚の煮付けは盛り付ける時、頭を左に、付け合わせは魚の右手前に盛り付けます。が、魚の切り身は背骨を中心に左身と右身があり、皮目を奥に切った身を手前にして盛り付けます。写真を見てお分かりの通り、煮魚の場合はターナーと菜箸を使い丁寧に魚を取り出しています。酢の物の盛り付けでは、菜箸と利き手でない方の指3本を添えて器に盛り高に盛り付け、おろし生姜を天盛りします。小さなことですが、大切に指導していきたいと思っています。

【著者】澤坂明美=管理栄養士。女子栄養大学香友会と業務提携し『プロカメラマンとフードコーディネーターに教わる料理写真講座』を継続開催、女子栄養大学認定料理教室等を主宰する。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号2024年10月21日号掲載

続・おいしい献立写真 調理実習の現場から

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