セミナー開催にあたり、事前の参加者からの質問で特に多かったのが、冷凍食品と食品ロス削減の関係について。そこで日本冷凍食品協会広報部長の三浦佳子氏は食品ロス削減などに向けた冷凍食品業界の取組を説明した。
◇
農林水産省によると、日本の食品ロスの発生量は減少傾向で、2022年度は472万㌧にまで減少。家庭から出る食品ロスは236万㌧に。事業系は30年度までに273万㌧に減らす目標値を、22年度の段階で達成した。しかし国民1人あたりの食品ロス量は1日約103gで、おにぎり1個分にあたる。学校給食は食べ物を粗末にしないことを子供たちに伝えていく生きた教材だ。
食品ロス削減に向けて冷凍食品業界はメーカー、中間流通、小売に至る消費者の手元に届くまで、少しでも無駄を出さないよう取り組んでいる。冷凍食品工場では野菜くずのようなゴミも粉砕・乾燥させて飼料や肥料として還元。その飼料が豚や鶏の餌として利用される。さらにパッケージの軽量化や効率的な配送などの省エネに向けて努力している。
冷凍食品業界における廃棄物全体の再資源化率は、第一次計画の基準年である1997年は43.6%だったが、各企業の努力により2022年は88.4%で大幅に向上している。
国では消費行動から食品ロス削減につながるよう取り組んでおり、賞味期限が近い商品から「てまえどり」で買うようにアピール。冷凍庫の食料もローリングストックの実践など、日常の努力が食品ロスの改善につながっていく。
冷凍食品業界ではSDGsの目標12「つくる責任、つかう責任」を達成するため今後も取り組んでいく。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年10月21日号掲載