会場からも食育や具体的な冷凍食品の活用方法など、活発に質問が寄せられた。統括・質疑応答では長島会長、髙橋栄養教諭、埼玉県学校栄養士研究会の今井ゆかり会長が登壇。三浦広報部長の進行で、質問に回答した。
◇
Q:野菜が高騰しているが、それに対応するにはどのような冷凍食品がありますか。
髙橋:冷凍食品の方が価格が安定し、廃棄も出ないので、第1学校給食センターでは冷凍小松菜、冷凍ほうれん草、冷凍とうもろこし、冷凍むき枝豆、冷凍大豆などを活用している。
Q:センター方式で給食を提供する場合、食品ロス削減に向けた具体的な方法はありますか。
髙橋:センターでは献立によっても変わるが1日の生ごみ量は平均約280㌔。そのうち調理作業で出る量が約80㌔、約200㌔が給食の残りなので、食育の授業では子供たちには給食を残さないように伝えている。また通常は廃棄する親芋を再利用して作った里芋コロッケを給食で提供するなど、廃棄を減らす取組も行っている。
今井:生の枝豆を給食に出す時、食育の一環として児童には枝からむしり取る体験をさせる。一方で給食の枝豆ごはんには、調理員の手間を軽減させるため、冷凍のむき枝豆を使用して食品ロス削減につなげている。
Q:冷凍食品がどのようにできているかを食育で教える際に教材となるものはありますか。
三浦:日本冷凍食品協会は冷凍食品について調べられるスマートフォンアプリ「冷凍食品1018.」がある。ダウンロードして冷凍食品のアレンジや動画などが見られるので活用してほしい。
長島:給食の時間に積極的に食育を行い、子供の心に何かを残し、その後の人生に影響を与えるものにしてほしい。自分が食べているものが、どのようにして給食に出されたかというところまで踏み込んで教えるのが食育。食育を単なるイベントで終わらないようにしてほしい。
Q:冷凍食品を調理する際、冬場は温度が上がらず時間もかかるので前日解凍は可能ですか。
三浦:冷凍食品はマイナス18℃以下で管理し、凍ったままの状態から調理する。自己流の解凍で調理したり、残ったものを再凍結することは避けてほしい。
長島:文科省は衛生管理基準に則って「調理場における衛生管理&調理技術マニュアル」を発行しており、冷凍食品の扱い方も詳細に記載されているので、解凍の仕方などを読んで確認することが大切。基本的には前日調理などは衛生・安全面からも行わないようにしてほしい。
今井:マニュアルをしっかり読み込むことで、自信を持って他の先生方にも説明できる。カツなど揚げ物の場合、調理する直前に冷凍庫から出し、凍ったまま揚げると仕上がりもおいしい。正しい知識を持って冷凍食品を使い、子供たちに安全・安心でおいしい給食を提供してもらいたい。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年10月21日号掲載