“地域に開かれた学校づくり”と不審者の侵入から児童生徒の安全を守るという、二律背反となる課題に向きあわなければならない学校現場には悩ましいところ。
安全教育資料「『生きる力』を育む学校での安全教育」(文部科学省、2019年3月)は、不審者侵入防止のための安全対策には、①校門、②校門から校舎入口まで、③校舎入口、という3段階でチェック体制を講じるべきという。校門や校舎の窓、出入口、錠の破損の点検・補修、防犯監視システムや通報装置の作動確認、さらに死角となる立木等の確認、駐車場や隣接建物等からの侵入の可能性等の検討が重要だと指摘する。
さらに、これらのハード面だけでなく来訪者の入・退場管理、教職員やボランティアによる校舎内外の巡回、警察・警備会社との連絡・通報体制の整備、学校開放の際の開放部分・非開放部分の明確なゾーニングといったソフト面の安全管理が欠かせないとも述べている。
2023年3月、埼玉県内の中学校に刃物を持った高校生が侵入、阻止しようとした男性教員が重症を負った。この事件を受けて文科省は2023年度からの3年間、学校現場への防犯カメラ、オートロックシステム、非常通報装置等の整備のため集中的に支援を行っている。支援の内容は補助率を1/3から1/2に引上げ、下限を400万円から100円に引き下げられた。
防犯カメラは設置する場所や目的に応じ、多様な機能から選択する必要がある。校門、校庭、校舎周辺等の野外で広範囲の監視には電動可変焦点の機能が望ましく、例えば威圧感があり抑止力も期待できる「バレット型」が効果的。校舎内の場合は天井等に設置する例が多く、目障りになりにくい「ドーム型」や広範囲に監視が可能な「PTZカメラ」が適している。
多種多様なカメラを含むセキュリティ機器の中から、設置目的や施設の状況に適したカメラ等を選択するのは困難。エレコム㈱はグループ会社のDXアンテナに加え、VIVOTEKの2メーカーから最適なカメラを提案。現地調査から機器選定・設置工事、アフターケアまでオールインワンの提案が得られる。
◎【小・中学校・高校向け】監視・防犯カメラの導入に関する問合せ
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年10月21日号掲載