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「食育基本法」や 「食育」成立に貢献 ~服部幸應氏が死去

2024年10月21日

「食育」の必要性を提唱し食育基本法制定に貢献した服部学園理事長・服部栄養専門学校校長の服部幸應氏が、10月4日㈮、同料理学校で倒れ、搬送された都内の病院で亡くなった。急性心不全で78歳だった。同校は12月13日㈮、東京の芝・増上寺で「学校葬」を開催する。

服部氏は本名・染谷幸彦(そめやゆきひこ)。服部学園創立者・服部道政の子として1945年12月、東京で誕生。70年、立教大学社会学部を卒業。第3代・同学園理事長、校長。(公社)全国調理師養成施設協会会長、特定非営利活動法人NPO日本食育インストラクター協会理事長、(一社)全日本・食学会理事他多数の公職を務めた。

旺盛な探究心と好奇心で年齢を超えて学び続け、50歳を過ぎて昭和大学医学部博士課程学位を取得するなど、自身が提唱する食育のバックボーンを追究した。

料理学校長として多数の調理・食品関係者を育てたほか、テレビの番組企画・監修等で活躍。日本の食事情の変化に早くから警鐘を鳴らし続け、今日の「食育」や「食育基本法」の成立と定着に尽力した。

藍綬褒章、旭日小綬章を受章。フランスからは国家功労勲章シュヴァリエや農事功労章オフィシエ、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエが授与されている。

食育について弊紙で語る服部氏

服部学園理事長・服部栄養専門学校校長の服部幸應氏が急性心不全のため10月4日、急逝された。服部氏と言えば「食育」であり、その貢献は語り尽くせない。弊紙紙面でもその必要性や思いを繰り返し語って頂いた。近年の弊紙紙面から改めて氏の言葉を振り返ってみた。


-2005年の「食育基本法」施行をうけて

「知育・徳育・体育の3つだけでは日本の子供たちはだめになってしまう。基本となる『食育』を学校教育の中に入れる必要があると10年前から政府にお願いをしてきた」

「『食育基本法』には3つの柱がある。『どのような食べ物が安全か、健康になれるか、食選能力を養うこと』、『衣食住の伝承』、『食環境の整備』。家庭では『食選能力』と『衣食住の伝承』を、学校では『食選能力』と『食環境の整備』を、地域は『食環境の整備』を集中的に扱ってほしい。栄養教諭・学校栄養士の活躍に大いに期待する」

「常々『食育基本法』は『食卓基本法』だと言ってきた。食育の一番の基本は子育て。親がしつけをするという役目をさぼらずに、『食卓』を原点だと考えてほしい」

<2009年11月21日付>


-「第2次食育推進基本計画」がはじまり、その課題について

「9つの目標を見直し、新たに加えた目標が『朝食または夕食を家族と一緒に食べる“共食”の回数を増やす』と『味わって食べるなどの食べ方に関心のある国民の割合の増加』です。とにかく8歳までに食卓で正しいしつけをすることが大切」

<2011年3月19日付>


-2013年12月に和食がユネスコ無形文化遺産登録されたことをうけて

「『1汁3菜』が和食の1つのパターンで理想的な健康食と言える。そこに行事食や、家族でわいわいと食卓を囲むという食育の視点を検討会で提案した。この『食卓を囲む=共食』という部分が今の日本に足りない部分。卒業生は多くがお店で料理を作る立場だが、自分の生活で作るのは1汁3菜と共食というスタイルを忘れないでほしい

<2014年3月17日付>


-「地産地消」の意義について

「食材の旬には『はしり』『さかり』『なごり』の3つの時期がある。『はしり』は収穫されたばかり、『さかり』は栄養価が高く一番おいしい時期、『なごり』は来年まで食べられないという思いが味を引き締める。料理はそれを考えて作ることが大切」

<2023年3月20日付>

 

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年10月21日号掲載

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