9月後半から後期授業が始まります。その前に実技試験と筆記試験があります。夏休み中の過ごし方で試験の成績が左右されるのは、どこでも同じではないでしょうか。
試験前に出題範囲と内容をかなり詳しく説明しています。成功体験を上手に積み上げてほしいので、授業に出席し、デモンストレーションを聞いて、テキストにマークして復習すれば、合格点は確実に取れるようにしています。
周りとのコミュニケーションがとれると、理解が深まるはずです。調理実習という授業は、5~6名で一グループを作り協力しながら調理工程を経て、完成させていくのが特徴です。
出来上がった料理を試食し、感想を話し合う。きちんと後片付けをする。ここまでを学んで、今後のメニュー作りや、栄養情報を踏まえ、栄養士として現場に出ていく基礎をしっかり吸収してもらいたいと思っているのですが、なかなか難しい現実があります。
コロナ禍を経て見えてきた課題だけではなく、ジェネレーションギャップや指導側の思い込みもあると思われます。1人ひとりにキャラクターの違いもありますが、全体に素直な学生が多く、頑張って学ぶ姿勢も徐々に見えてきました。
実習後、盛り付けた料理の写真を撮ったり、デモンストレーションの盛り付け方を見に来たりと慣れてきた様子に少なからず安心しています。
後期の授業では、何品かのメニューを組み合わせ、献立として提供できる力を着けてもらうつもりです。献立をきれいに見せられるように、仕上げに注意し、盛り付けでよりおいしそうに見えることも知ってほしいと思っています。
プロカメラマンに撮影してもらった画像を見ていただくと、青椒肉絲牛は斜め後ろから光を当てる半逆光という手法で撮影してあり、盛り付けた食材の後ろ側まで感じる画(え)となっています。和食、朝食献立の画は、後ろから光を浴びる順光と真横から光を浴びるサイド光をあわせもつ斜光を利用して撮影しています。明るく、食材がさわやかに見えます。
洋食献立やパスタ献立はサイド光の高さを調整して、しっとり、趣きのある画になっています。中華炒めはスマートフォンを使用し、逆光で撮影している為、手前にしっかり影が出ています。
出来上がりの見え方も考慮しながら、調理手順を考え、盛り付けまでを一連の動作として時間内に出来るように、合理的な配慮をしながら助手の先生共々、学生の学びの手助けが出来るようにしたいと思います。
【著者】澤坂明美=管理栄養士。女子栄養大学香友会と業務提携し『プロカメラマンとフードコーディネーターに教わる料理写真講座』を継続開催、女子栄養大学認定料理教室等を主宰する。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号2024年9月23日号掲載