コロナ禍の経験により、こまめな窓開け換気が定着したことを背景に、学校では網戸の設置が増えているという。校舎の近くは学校農園や植栽が多いため様々な虫などが生息している。特にハエや蚊が活発に活動するこれからの季節は、開放した窓から侵入し授業の妨げになることがあるからだ。
2022年6月、文部科学省が公表した学校施設整備指針の改定によると学校施設は快適で健康的で安全性に配慮しなければならないと述べる。さらに「窓による自然換気を計画する場合には、位置、開閉の方法等に留意し」「窓を開放した際の虫よけ対策として網戸を設置することも有効」と記述している。設置には児童生徒の事故防止の配慮が必要なことは言うまでもない。
国土技術政策総合研究所「建物事故予防ナレッジベース」には、網戸を含めて学校の窓からの転落事故は194件掲載されている。そこには窓清掃の際に窓から身を乗り出したことが原因の事故など、複数の事例が掲載されている。
このことから、新規に網戸を設置するなら室内付けが、より安全につながると思われる。
学校は引き違い窓が多く、網戸は通常では窓の外側に設置されるため、網戸に生徒が寄り掛かる等で窓から外れ、網戸ごと転落するケースも原因の一つ。また網戸だけの落下もある。
網戸総合メーカーのセイキ販売㈱は、窓の室内側に網戸レールを設置して取り付ける「室内付パネル網戸」を発売。従来窓の外側に設置されていることが多い網戸だが、窓の内側にレールを設けて網戸を設置できる商品だ。
網部分だけを取り外し、清掃や張替えができるため、室内の衛生も維持しながら転落事故や落下防止になる。
採用した学校では、落下の心配がないべランダ側の網戸は窓の外側に従来型の網戸を設置し、2階以上の廊下側の窓は室内付パネル網戸を設置するなど使い分けをして安全対策を講じているとのことだ。
同社では、設置箇所や窓種に応じた様々な網戸の提案が可能だ。
ホームページや電話で問い合わせを受けており、全国に販売店ネットワークも持っている。
▼詳細=https://seiki.gr.jp/
問合せ=042・433・9881
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年7月15日号掲載