気象庁データによると10分間の降水量の観測史上最多は、2021年11月の北海道・木古内で記録した55㍉、次いで20年6月の埼玉・熊谷で50㍉。国土交通省の統計では、1時間50㍉以上の年間発生回数は22年に全国で382回、19年377回など降雨量は近年高止まりの傾向にある。
全国の公立学校(幼・認定こども園~高等学校、義務教育学校、中等教育学校、特別支援学校)のうち、各自治体の浸水想定区域に立地する学校は約20%で7476校にのぼる一方、そのうち「施設内への浸水対策」を講じている学校は14.7%、1102校だった。「重要書類等の保管場所の浸水対策」は36.5%・2728校で3分の1にとどまっている。
一方「避難確保計画を作成」している学校は85.1%、「避難訓練の実施」は71.9%に上り、ソフト面の対策は、ハード面に比べ進んでいるように見える。2020年10月現在の状況(文部科学省調査)だが、近年激甚化している風水害へのハード・ソフト両面からの備えが急がれる。
三和シヤッター工業から先ごろ、浸水高さ3㍍に対応し、防火機能も備えた防水防火扉「ウォーターガードシリーズ『Sタイトドア(スチール仕様)』」が発売になった。近年では頻繁に発生する線状降水帯や大型化する台風などによる深刻な水害への対策としてニーズが高いという。
外観や操作性は通常のスチールドアと変わらない。片開きドアの場合は特別な操作なしで、普段通りの使用ができ、特別な設置工事は不要だ。
浸水高さ3㍍までの高い防水性能は二軸丁番と水密ゴムの採用により、浸水した時の水圧で扉が枠に押し付けられることで実現した。防水性能は24時間継続して維持されるので、浸水後の速やかな排水等が遅れても建物の内部を水害から守ることができる。
「Sタイトドア」は浸水高さ1㍍対応を2015年、2㍍対応を2020年に発売。「シンプルな操作性」と「防水性能と防火性能の両立」という同シリーズの特徴は共通だ。学校等の1階や地下階の出入り口、機械室の通用口に設置することで防水対策が向上する。
▼詳細=https://www.sanwa-ss.co.jp/professional/products/000875.html
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教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年7月15日号掲載