部活動の学校から地域への移行について、保護者の3割が「知っている」(「よく知っている」4.2%、「概要は知っている」26.4%)と回答した。また「学校での活動が望ましい」(11.7%)、「どちらかというと学校での活動が望ましい」(24.3%)など保護者の3分の1以上が学校での活動が望ましいと考えている-日本財団の笹川スポーツ財団の調査結果で、生徒は運動部活動を通じて「良かったこと」に「友達ができた」「技術が上達した」、「良くなかったこと」は「勉強との両立が難しい」「自由な時間が少ない」などと回答した。
先ごろ公表された笹川スポーツ財団の調査報告書「子ども・青少年のスポーツライフ・データ2023」は、無作為に抽出された全国の4~11歳2400人、12~21歳の3000人を対象に2023年6~7月の間、訪問留置きによる方式で行われた。
12~21歳で学校の運動部活動に参加していると回答した生徒の割合が高かった上位5は上表の通り。年次推移では上下差があるが、中学校はソフトテニス、バスケットボール、高校ではサッカー、野球、バドミントンが継続して上位にある。
部活動の地域移行についての質問は12~21歳の回答者の保護者を対象に「学校運動部活動を地域のスポーツクラブ等が担うこと」への認知を聞いたもの。全体で最も多かったのは「聞いたことがある」との回答で37.0%、次いで「知らない」が32.3%だった。その一方「内容まで良く知っている」(4.2%)、「概要は知っている」(26.4%)など「知っている」保護者は3割にとどまっている。
男女別でこの傾向にあまり大きな違いはみられなかった一方、中学校期の生徒の保護者は「良く知っている」「概要は知っている」を合わせて37.2%が認知。高校期の31.2%を6ポイント上回っている。
地域移行への保護者の考え方で、全体で最も多かったのは「どちらともいえない」(42.2%)、次いで「どちらかと言うと学校が望ましい」(24.3%)、「どちらかと言うと地域に移行したほうがが良い」(14.7%)、「学校が望ましい」(11.7%)、「地域移行のほうがよい」(7.1%)の順。「学校の方が望ましい」「どちらかというと」を合わせた回答は高校期(41.2%)で、中学校期(35.0%)より多かった。
運動部活動を通じて良かったことは、全体では「仲の良い友達ができた」(71.7%)、「技術が上達した」(64.9%)。「学校生活が充実した」(38.6%)、「体力に自信がついた」(37.0%)、「試合に勝てた」(36.1%)などが多かった。「仲の良い友達ができた」や「学校生活が充実した」は中学校期より高校期の割合が高かった。
一方「良くなかったこと」では、全体で多かったのは「勉強との両立が難しい」(42.0%)、「自由な時間が少ない」(34.1%)、「休日が少ない」(31.0%)、「疲れやすい」(29.6%)、「思うほどうまくなれない」(13.1%)、「試合で勝てない」(11.7%)などだった。「試合で勝てない」を除いたすべての項目で、中学校期より高校期が多かった。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年6月17日号掲載