学校施設の新築、大規模改修の工事に際し「ZEB化」導入に取り組んだ事例から、学校の省エネルギー化の必要性とメリットを解説する『学校施設のZEB化の手引き』を、文部科学省が先ごろ作成・公表した。ZEB化が難しい場合の第2案として、「ZEB Ready」となる断熱改修も推奨している。
ZEB(ゼブ)とはNet Zero Energy Buildingの略称。快適な室内環境を実現しながら、建物で消費するエネルギーをゼロにすることを目指した建物を意味するもので、暑さ寒さや不便さを我慢することではない。建物で消費する一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のこと。
日光遮蔽や自然通風等のパッシブ技術や効率的な運用で、冷暖房や照明、OA機器等の学校が消費するエネルギーをできるだけ減らす(∥省エネ)。一方、太陽光や風力等の自然エネルギー、バイオマスなど再生可能エネルギーを導入する(創エネ)。省エネと創エネの両立で使用エネルギー0%以下を目指すもの。
予算や施設の構造上の要因からZEB化が困難な場合でも、将来のZEB化を視野に入れて外壁や窓に「断熱工事」を施す「ZEB Ready」を紹介。断熱工事は新築や大規模改修時でなければ後からの工事は容易でない。省エネで50%以上の消費削減を目指す。
学校施設のZEB化にはエネルギー使用や新技術を「見える化」することで教育的効果が期待される。また創エネにより災害時のエネルギー自立につながる。そして省エネによって光熱費が削減できるという直接的なメリットもある。
教育家庭新聞 新学期特別号 2024年4月15日号掲載