最近のスマートフォン(スマホ)の画像は、自動補正もしてくれて、画面上、大変見映えのする作品に近いものが撮れます。
ところで、その画像を印刷したことがありますか?あるいは、パソコンにメール等で転送したことはあるでしょうか?その時、画面上にある表示が示されることに気づいていますか?送信ボタンを押すと、元のサイズ(1.4MB)、小(33.1KB)、中(99.8KB)、大(577KB)から選択して送れるようになっているはずです。
その画像は見るだけですか、印刷するのですか?実は、スマホ上で綺麗に見える画像でも印刷した場合、ぼやけてしまう事があります。それには解像度と画素数が関係してきます。恐らく、聞いたことはあるのではないでしょうか。
解像度(dpi)とは、1インチ(2.54㎝)四方の中にどれだけのドット(点)の数があるかを表しています。たとえば、350dpiの場合は1インチ当たり350のドットが集まっているという事になります。一般的に、フルカラーの印刷物の場合、300〜350dpiあれば鮮明に印刷することが出来るようです。そして、画素数とは画像を構成する小さな点の最小単位で、ピクセルで表します。1200万画素の画像であれば、一般的な画素比率の4:3とした場合、4000ピクセル×3000ピクセルで構成された画像という事になります。1200万画素のスマホで撮影した写真サイズは、A4サイズ相当としてなら使用できる事を覚えておくと良いでしょう。
料理の写真等は美味しそうに見映え良く、本来伝えたい魅力を引き出してこそ撮影した意味があるのでしょう。今までにお伝えした、構図などのバランスや光の当たり具合、小物等の効果、シズル感といったテクニックを十分に生かしてみましょう。
スマホで撮影した画像は「どのくらいのサイズで使うのか」、「どのくらいの解像度が必要なのか」という2点をチェックしたうえで、適切な画素数を満たしていれば大丈夫です。
ところで、撮影した画像をそのままプリントすると上下や左右が切れてしまう事があります。それは、アスペクト比(画像と印刷用紙の縦横比)が違うからです。スマホやデジタルカメラで撮ると2:3、3:4と人間の視野に近い構成比になります。ともかく高画質で撮影し、プリント規格に合わせて調整すると、思い通りの画像で印刷することが出来ます。
【著者】澤坂明美=管理栄養士。女子栄養大学香友会と業務提携し『プロカメラマンとフードコーディネーターに教わる料理写真講座』を継続開催、女子栄養大学認定料理教室等を主宰する。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年3月18日号掲載