全国養護教諭連絡協議会(辻野智香会長)の第29回研究協議会が2月16日、東京・有楽町で開催された。文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課健康教育調査官・松﨑美枝氏による行政説明(基調講演)やウェルビーイングをテーマにしたフォーラム、特別講演などが行われた。
<基調講演>
全国養護教諭連絡協議会の第29回研究協議会で、基調講演を行った文部科学省初中局健康教育・食育課の松﨑調査官の基調講演は「これからの学校保健と養護教諭に求められるもの」をテーマに、養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議「議論のまとめ」(文科省・2022年)等をもとに、養護教諭に求められる10項目の役割(職務の範囲)について解説した。児童生徒のウェルビーイングには全教職員が日常の健康観察を大切にするよう確認した。
■養護教諭に求められる10の具体的職務
養護教諭に求められる具体的職務とは、①救急処理、②健康診断、③健康観察、④疾病の管理・予防、⑤学校環境衛生管理、⑥各教科における指導への参画、⑦心身の健康課題に関する児童生徒等への健康相談、⑧健康相談等を踏まえた保健指導、⑨保健室経営、⑩保険組織活動となる。
このうち他の教職員との分担で役割を果たすものは③健康観察、⑤学校環境衛生管理、⑥各教科における指導への参画で、それ以外は養護教諭が中心的に担うものとして分類できる。松﨑美枝調査官は養護教諭に求められる役割の一つである児童生徒の「健康観察」について「全ての教職員によって教育活動の全体を通じて行われるもの」であり、養護教諭には「観察のポイント、結果を元にした管理職や担任への指導・助言」が求められると語った。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年3月18日号掲載