献立作成をするうえで大切なことがいくつかあります。暦の二十四節気等を意識し、季節の移り変わりや行事に合わせた献立を組み込むと、彩のある食事を作ることが出来ます。
食材費の高騰や気候変動の影響もある中で、難しいかもしれませんが、ちょっとした工夫次第で喜んでもらえると思います。いくつかのアイデアを実行して、皆さんに楽しんでもらえる食事の提供を試してみませんか?
まず、一年を春(3月~5月)、夏(6月~8月)、秋(9月~11月)、冬(12月~2月)という4シーズンに分けて考えてみましょう。
春の行事はひな祭り、卒業式、入学式、こどもの日と大きな行事が目白押しです。ひな祭りは、小物として桃の花や折り紙のひな人形等をあしらって撮影すると華やかになります。卒業式や入学式の頃には、桜の花や桜の葉等を添えると、写真映えします。生花だけでなく、ダミーの造花等でも大丈夫です。また、ランチョンマット等を敷いて撮影してみるとイメージは変わってきます。こどもの日は菖蒲や兜、粽(ちまき)等と一緒に撮影しても良いでしょう。学校給食用のイラスト等も役立ちます。
夏の行事は、七夕、土用、お盆、夏祭りに花火等があり、朝顔やほおずき等を添え、素麺やスイカ等も提供できますね。七夕の短冊等に「好き嫌いをなくそう」といったメッセージを一緒に加えるとより身近な食事の提供につながります。暑い季節ならではなので、風鈴等を画面の奥に置いて涼しさを演出して撮ると良いでしょう。
秋の行事は、十五夜、敬老の日、ハロウィン、七五三等があり、芋類やキノコ類が豊富に出回り、フルーツが美味しい季節です。新米も収穫され、食欲の秋とも言われますね。おにぎり等を立て掛けて撮影すると、ご飯の粒が際立ち美味しさを演出できます。ハロウィンのカボチャ等も彩として楽しめます。
冬の行事食は、クリスマス、正月、七草、節分等があり、クリスマスは小物がたくさん出回っているので手軽に使えますね。正月は祝箸や正月飾り等を、節分には鬼のお面等を利用できます。
色々な素材の画像を載せてみました。身近なものを上手に使い、献立の写真を撮影してみましょう。市販の食材を利用して、1枚の写真を撮ってみました。美味しそうに見えますか?食器や食材に制限があっても工夫次第です。チャレンジしてみましょう。
寒い時には温かさ、暑い時には涼しさを。その意識があれば、ごく自然にそれらしい画像が撮れます。
【著者】澤坂明美=管理栄養士。女子栄養大学香友会と業務提携し『プロカメラマンとフードコーディネーターに教わる料理写真講座』を継続開催、女子栄養大学認定料理教室等を主宰する。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年2月19日号掲載