服部栄養専門学校(服部幸應理事長・校長)が食材選択の意識を高める目的で、鹿児島県や県経済農業協同組合連合会と連携して「かごしまの『食』体験授業」が昨年に実施されたが、同校の教員が開発した同県産食材を活用した新メニューを披露する「かごしまの『食』発表会」が1月26日に行われた。
「かごしまの『食』体験授業」で「まめこぞう」を教材に調理実習を行った栄養士科1年の栗原舞さんは「まめこぞうは甘みが強くおいしかった。生産農家とオンラインでつながり生産の様子もわかり、食材を理解することにつながった」と授業の感想を発表。
調理ハイテクニカル経営学科2年の長田波瑠人さんは「鹿児島県には黒毛和牛や大将季などのブランドがあり、地産地消が根付いていることに感動した。大将季の特徴を活かし、調理実習では美味しいデザートが完成した。卒業後、食の道を進んだら鹿児島の食材を料理に取り入れたい」と将来の展望を語った。
「かごしまの『食』発表会」では鹿児島黒牛、黒さつま鶏、新ごぼう、まめこぞう(実えんどう)、スナップエンドウ、そらまめ、かぼちゃ、紅甘夏、大将季を使用した。
新メニューは以下の通り。【西洋料理】鹿児島黒牛のローストビーフ、黒さつま鶏と新ごぼうのマカロニグラタン、鹿児島黒牛のミルフィーユカツサンド、【日本料理】紅甘夏とそらまめのちらし寿司、鹿児島黒牛サーロインとおこげ、南京豆腐、【中国料理】鹿児島黒牛すね肉の冷菜、黒さつま鶏の冷やし和え蕎麦、【製菓製パン】鹿児島黒牛バラ肉とパラぺーニョのベーグル、大将季のババ
新メニューの試食を行った塩田康一県知事は「今回は鹿児島県の食材の良さを知ってもらう良い機会。鹿児島県は、離島も含めて南北に広がる地形で多種多様な食材がある。料理の世界を担う若い人たちに鹿児島の食材を知ってもらいたい」と語った。
県経済農業協同組合連合経営管理委員会の柚木博文会長は「授業を通じて生産者の思いが学生の皆さんに伝わった。鹿児島県のキャッチフレーズは『南の宝箱 鹿児島』。その宝箱には畜産物や農水産物などが詰まっている。県の魅力を今後も発信したい」と語った。
服部幸應校長は「日本の食料自給率は38%だが、鹿児島に限ると77%となる。食に恵まれた鹿児島の魅力を学生に伝えられた。鹿児島の食材が持つ力を考えると、さまざまなメニューへの活用が考えられる。学生は未知の食材を使うことで未来も広がるのではないか」と考察した。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2024年2月19日号掲載