制服・体操服の多様化が進んでいる。カンコーは11月14・15日、大阪市内でSCHOOL SOLUTION FAIR2024を開催した。本フェアは、教育の新しい視点や新技術を取り入れた多様な制服・体操服と、実りが多い学校生活を送るための提案を多方面から紹介した。当日の様子を紹介する。なお東京ショールームでは11月から2024年1月31日まで学校要望に合わせて開催している。
展示会では、近年の採用事例を中心に、様々な学校のオリジナリティあふれる制服・体操服や各校の工夫を一覧できる。創業170周年を迎えることもあり、入口には制服と同社の歴史が入場者を迎えるように展示されている。
制服エリアでは、全国で学校制服として採用が増えているブレザーの様々なカラーイメージを提案。色から受ける印象を調査し、「なりたいイメージ」をブレザーに採り入れた。インクジェット技術により多色使いや柄の自由度も広がった。
素材やデザインも進化。動きやすいパターンやニット素材の採用が増えている。袖ボタンをなくして反射材のステッチを入れる学校もある。
男女兼用ブレザーは、ボタンを簡単につけかえて左右の打ち合わせを変えることができる。兼用モデルや通常モデル、スリムモデルのシルエットがわかるように女子体形のマネキンを使用して展示。旧制服と新制服も比較展示して機能性・デザイン性の向上がわかるようにした。
ブランドコラボも新提案。チェック×ストライプ×ニットタイなどブランドコンセプトを活かしたブレザースタイルを提案する「BEAMS SCHOOL product by KANKO」は、現在全国41校で採用されている。
2020年度より共学向けブランドとして再スタートした「ELLE ECOLE」はシックなデザイン。ホールガーメントニットで無駄な廃棄をなくすなど、サスティナビリティにいち早く取り組んでいる。ELLE ECOLEならではの広報支援も魅力的だ。
薄手・軽量でありながら防風・保温・高耐久に優れた素材を採用した体操服「カンコープレミアム」は、現在約500校で採用。
この春より、提案をスタートした「花粉・臭い対策」が期待できるDR.C医薬のハイドロ銀チタン技術を活かしたコラボ素材を採用した体操服も展示。
体操服アイテムがメインであった「カンコーファイテン」は制服アイテムのジャケットやスカートにもファイテン機能を付与した提案も進めていく。
開発中の新コラボブランドの体操服も会場限定で一部公開した。
24時間制服・体操服を採寸・追加注文できるスマート採寸による業務効率化を提案。オンラインで注文でき、自宅まで配送される仕組みで現在約500校が採用している。
購買部の代わりとなる学校アイテムを購入できる自販機や、様々な業者から購入する必要がある各種学用品をクレジットカード決済できる学校用品販売プラットフォーム「スクマ」も提案。学校業務の効率化を実現する。
カンコー学生工学研究所では、次世代の制服・体操服の研究を進めており、多方面の専門家等との共創により、新しい価値を提案している。本年も興味深い新提案が紹介された。
感覚過敏でも着用しやすい素材とデザインを採り入れたシャツの開発パートナーは、感覚過敏の症状を持つ高校生だ。クラウドファンディングでテストセールも行い、目標金額を達成。今後も研究を進めていく。
リサイクルしやすい素材の研究や廃棄野菜を再利用した染料も開発。
熱中症対策のファン付きウェアは、今夏に学校でのモニター着用を実施した。
SDGsの気付きの一助になればという思いから、制服・体操服に障がい者アートのプリントを取り入れる提案もある。
学校教員向けWebサイト「Teacher with」では、非認知能力育成やGRIT(やり抜く力)、学校広報等をテーマにしたセミナー動画を配信している。
カンコーマナボネクトは、非認知能力育成や探究的な学びを支援する取組を行っており、現在探究的な学びの発表の場として2つの大会を提供している。
コロナ禍にスタートした全国高校生動画コンテスト「YouTube甲子園」は、探究学習の表現の場として進化。「企業コラボ」「学校地域魅力」「ショートドラマ」部門がある。第6回を迎え、300チーム以上がエントリー。エントリー校限定のサポートとして探究的な学びに役立つワークブックや著作権講座(動画教材)も提供。
RESAS活用教育推進委員会と連携して開催している「地域応援アイデアコネクトEXPO」は、企業の課題を解決し実現するまでを目標としたプロジェクト。12月に最終プレゼンをハイブリッドで開催予定だ。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2023年12月4日号掲載