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プロが伝授するおいしい献立写真 撮影のポイント 第6回「引き立つデザート類」

2023年11月20日
連載

小物や背景の工夫を 見る人の想像力に訴える

食後のデザートは、別腹と言われることが多いようです。どんなに美味しい食事をしても、満腹であっても、デザートが出てくると手を出したくなりますね。これは、甘いものに対する人間の太古からの渇望なのでしょうか?あるいは、生存本能でしょうか?

デザートとは、「食事を片付ける」という意味を持つフランス語の「デセール」に由来したもので、コース料理の後等に出されるお菓子や果物のことを言うようです。もちろん給食やご家庭で出される、食後に食べるお菓子や果物もデザートになります。食後に頂く甘いものは、お腹と心を同時に満たすだけでなく、食事に不足しがちなビタミン類等の栄養素を補ってもくれますね。

そこでデザートの写真を、より美味しそうに、引き立つように撮影するにはどうしたらよいでしょうか?

たとえば、出来立てのマフィンをさらに美味しそうに感じてもらうためには、半分にカットした画像にすると、食べてみたくなりませんか?ドーナツだけ撮影するより、温かい飲み物が斜め後ろにあるだけで、食べてみたくなるのではないでしょうか?和菓子を撮影する時は、懐紙や黒文字といった小物、お茶や急須といった飲み物も一緒に撮影するとリアルに食べたくなると思います。

クリスマスシーズンに向けて試作したブッシュドノエルや、バターケーキの上にホイップクリームをたらし、ラズベリーやブルーベリーを散らしたベリーケーキは、バックの色を赤やグリーン系でまとめると、クリスマスがイメージできて楽しそうな雰囲気を出すことが出来ます。

右下は市販のスポンジケーキにホイップクリームを塗り、周りは市販のフィンガービスケットを張り付けてリボンを結び、天面にはイチゴやベリー類といったフルーツをのせた即席クリスマスケーキです。背後に炭酸飲料や取り皿を配置し、左奥から強めの光を当てて撮影すると、パティスリーのポスター風に仕上がります。

デザートは加工の度合いにより、見ただけで中身の分からないものもあるので、ZOOM機能を活かして撮影すると良いでしょう。

見て感じるだけの視覚に訴えて美味しさを伝える写真撮影には、様々な工夫が必要です。味わって感じる味覚と、臭いで感じる臭覚まで伝えたいものです。

画像を見る人の想像力と経験値に問いかけられるよう、色々な角度のアングルや、構図、引き算のコツ等、これまで書かせていただいたことを有効活用して、チャレンジしてください。


【著者】澤坂明美=管理栄養士。女子栄養大学香友会と業務提携し『プロカメラマンとフードコーディネーターに教わる料理写真講座』を継続開催、女子栄養大学認定料理教室等を主宰する。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年11月20日号掲載

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