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「耳疾患」近年微増に 早期発見にはオージオメータを~オージオメータの校正

2023年10月16日
手前は動作を確認中、奥は設定を替えながら校正中の場面(JQA校正室で)

手前は動作を確認中、奥は設定を替えながら校正中の場面(JQA校正室で)

最近の学校保健分野では視力低下の低年齢化が問題となっている一方、「聴力(聞こえ)」の問題に関わる「耳疾患(慢性中耳炎を含む)」と診断された児童生徒が、近年になりわずかだが増加する傾向にある。イヤホン、ヘッドホンの長時間使用で、今後さらに増加することが危惧される。

文部科学省の学校保健統計(2021年度)では小学校の「耳疾患」は676%で、過去10年間で最多。中学校は489%で過去最高だった前年度よりわずかに減少したが高止まりの状況。高校は251%で、最多だった19年より減少したが高止まりだった。

学校の健康診断における「聴力」の検査には、日本産業規格(JIS)によるオージオメータを用いること、また同機が「定期的に校正を受けること」が学校保健安全法に記載されている。

「オージオメータは精密機械であることを理解して、校正は毎年受けるのが理想的」と語るのは(一財)日本品質保証機構(JQA)の担当者。1986年に日本で最初のオージオメータ校正機関として校正業務を開始し、2022年までの36年間で累計約333300台を評価してきた。

さらに2020年の改正JIS規格への対応はもちろん、計量法校正事業者登録制度(JCSS)で、オージオメータでは国内唯一の登録事業者となっている。

JIS規格では、オージオメータの設定出力とイヤホンから聞こえる音との偏差が±3db以内と定められている。±3dbの偏差を例えるなら「救急車のサイレンが1m先か14m先かで聞こえる音量の違い」といった程度の微妙な差だ。「校正に使用する設備が定期的に精度管理されていること、正しい方法でオージオメータを校正していること等、複数の要件が全てそろってはじめて適切に検査を行うことが可能となる。JQAは第三者の厳しい目で評価され、これらの高度な能力を有していると認められている」と校正技術者。

精密な部品で構成されているオージオメータは気温・湿度、振動など管理される環境にも影響される。原因はこれだけではないが、検査で発見される不良・不具合の機器は34%。可能な限り校正は適切に受けることが望ましい。

https://www.jqa.jp/

お問合せ: 計量計測センター/042-679-0144

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年10月16日号掲載

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