文部科学省は先ごろ2022年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表。それによると認知されたいじめ件数は前年度より6万6597件(10・8%)増えて68万1948件、「冷やかし、悪口」など言葉によるいじめが最も多かった。
いじめは増加傾向が続いている。コロナ禍で全国一斉休校など登校日数が減った20年度は減少したが21年度には前年度を上回り、22年度は過去最多となった。いじめによる児童生徒の生命・心身、財産に重大な被害が生じた疑いがある「いじめの重大事態」は923件で、前年度より217件(30・7%)増加、過去最多だった。
態様別のいじめの傾向をみると、小学校から特別支援学校までの全校種で最も多かったのは「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」といった言葉によるいじめ。次いで多かった態様は校種によって差がある。小学校は「軽くぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする」、「仲間はずれ、集団による無視をされる」など。中学校は「軽くぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする」、「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」など。高校は「パソコンや携帯電話等で、ひぼう・中傷や嫌なことをされる」、「仲間はずれ、集団による無視をされる」など。特別支援学校では「軽くぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする」、「嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをしたりされたりする」などだった。
文科省は「1人1台端末を活用した心や体調の変化の早期発見を推進。未然の防止と早期発見・早期対応や家庭・地域社会等の理解を得て、地域ぐるみの取組を推進する」と今後の対応について述べている。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年10月16日号掲載