5歳で15%、15歳以上でも1~2%の子供にあるされる「夜尿症」は、例えば小学1年生では1クラスに3~4人の割合でいるとみられる。6月5日からの「世界夜尿症ウィーク」を前に、フェリング・ファーマ㈱が開いた「夜尿症啓発メディアセミナー」では、日本夜尿症・尿失禁学会理事長で順天堂大学医学部附属病院練馬病院の大友義之氏が講演。早期治療が有効で、半年で80%の子供が軽快、2年で75%が治癒したと語った。
2歳ごろまでは排尿習慣が確立しないため「おねしょ」をするが、その頻度は成長と共に減り、4歳ごろまでに解消されるのが一般的。しかし「5歳以降で月1回以上のおねしょが3か月以上続くもの」は「夜尿症」と定義され、治療対象になるという。
日本では夜尿症でも受診しないことが多いと報告されるが、子供の自尊心やQOLが低下するという影響も調査報告にあるという。
2019年に同社が行った夜尿症の子供の保護者に対する調査では、保護者の21%が「最近1か月以内で、朝、子供を叱ったことがある」。87%が「おねしょを理由に叱った後、後悔した」と回答した。
夜尿症で医療機関を受診する目安は小学校低学年で「ほぼ毎晩」、3年生以上では「週数回以上」とされている。
早寝早起き、夕食後寝るまでを2時間以上空けるなどの生活改善でも1~2割は治るという。その他、治療薬もあり、症状・年齢に応じて医者が選択するという。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年6月19日号掲載