春キャベツ・菜の花・新玉ねぎ・かぶ・いちご。筍ご飯、花見寿司、ふき味噌,桜エビのかき揚げ、ブリの照り焼き、蕪蒸し、若竹汁、桜パフェ
9年間続いたこの連載も今回で幕を閉じることになりました。食べもの(食事)を中心に、栄養・料理・マナー等に関わる営みが人を育てることを、実感・体感するきっかけになれば幸いです。
学校給食は、栄養士の思いがたくさん詰まった献立を調理師さんたちの魔法の手によって「おいしい給食」に仕上げて子供たちに届けます。目に見えない作り手のいろいろな思いは、言葉にするようにしています。
毎日の「給食通信」、教室での食育の授業等。家庭には「給食だより」や給食試食会等。そうした活動が児童生徒の心に届き、食の大切さ・命の尊さを学び、健康を意識した‘食生活’へと活かす力が育っていくのだと信じています。そしてそのことを確認できるのが、給食ノートや食育アンケートです。連載の最後に、たくさんもらった声の中から、いくつか紹介したいと思います。
<おすましランチの感想>学校でテーブルマナーの勉強ができて、とてもうれしかったです。レストランみたいな雰囲気で、ちょっと緊張したけどとてもおいしくいただけました▼勉強になったし、料理もとてもおいしかったので、将来立派な料理人になって、給食室のシェフみたいな料理上手な人になりたいです。
<4年生給食ノートから>今日は、東京平和の日にちなんだ給食ですごいなあと思いました。おばあちゃんから聞いたはなし、昔のすいとんはまずかったそうですが、学校のすいとんは、人参やお肉が入っておいしそうです(食べる前に書いています)。おばあちゃんに今日の給食のこと話したらきっとうらやましがると思います▼魚の照り焼きとかきたま汁が一番おいしかったです。献立を考えるのは大変ではないのですか?▼菊花ミカンがおいしと思いました。でも半分だったので残念でした。あと私、小豆はお汁粉に入っている以外は食べません!でも、きょうの小豆飯みたいにご飯に入れるのもありだなあ、おいしなあと思いました▼好き嫌いが多くて食べ方も遅いので、直さなければいけないといつも思っています。背が小さいのもそのせいかなあ。大留先生お願いです、大大大好きな野菜サラダをいつも出してください。毎日いろいろな献立を考えてくれてありがとうございます▼ナポリタンもごまドレサラダもおいしかったです。実は私は玉ねぎがとても嫌いです。でも、きょうのナポリタンに入っていた玉ねぎは食べられました。毎日給食を作ってくれてありがとうございます。これからもおいしい給食をよろしくお願いします。
<お便りポストから>パプリカシチューがおいしかったです。家でも母が作ってくれてその味に似ていてすごいおいしいと思いました▼今日の卵スープを7回お代わりしました。また作ってね▼洋風寿司がおいしかったです。おひたしは少ししょっぱかったですが、リンゴはおいしかったです▼私は鮭の皮が好きです。だから最後に食べました。また鮭の塩焼きを出してください▼初めて出たのに「お雛寿司」がすんごくおいしかったです。毎年出るといいなあ。
子供たちの声は、まず給食室に伝えました。この声が日々の仕事への励みになったことはいうまでもありません。
【著者】大留光子=元栄養教諭、現在は順天堂大学・武蔵野専門学校講師
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年4月17日号掲載