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ウイルスの存在を多角的に解説する学習資料「一家に1枚ウイルス」

2023年4月17日

科学技術への国民の興味・関心を高めるため毎年4月に設定する科学技術週間(今年17~23)に合わせ、文部科学省は2023年度学習資料「一家に1枚 ウイルス」を作製し、同省の科学技術週間ページ上に公開。全国の小・中・高等学校、大学等に配布するほか、科学館、博物館等を通じての配布も予定している。

 学習資料「一家に1枚ウイルス」は「ウイルス~小さくて大きな存在~」と題して、ウイルスが人間社会や自然環境においてどのような存在であるかを以下①~⑥のテーマで多角的に解説する。

 ①ウイルスの基本知識②自然環境中のウイルス③自然環境から人間社会へウイルスが侵入④ウイルス感染症と人間社会⑤ウイルスの研究と活用⑥ウイルスと人類との関わりの歴史

 学習資料「一家に1枚」は、科学技術週間にあわせ文科省が2005年から、国民に科学技術に触れる機会を増やし、基礎的・普遍的な科学知識の普及を目的に毎年実施しているもの。

 科学技術週間のページ https://www.mext.go.jp/stw/

【解説より(抜粋)

 ウイルスは細菌よりも小さい病原体として1892年に発見されました。その後科学の発展と共に、様々な病気の原因がウイルスであることが解明され、またウイルス感染症の予防策や治療法が開発されてきました。1980年には世界保健機関(WHO)が天然痘の根絶を宣言し、人類はウイルス感染症の一つに打ち勝ちました。しかし、ウイルス感染症の世界的な大流行はいまだ発生しており、2009年に始まったパンデミックインフルエンザや2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行は社会や経済に大きな影響を与えました。

 人類は、ウイルス感染症の制御という地球規模の課題に直面しているのです。一方で、自然環境中においてウイルスは生態系の構成要素であり、生態系の維持や生物同士の共生関係の構築などに関わっています。また、ウイルス感染の仕組みを活用することで、病気の治療など人間社会の役に立つこともあります。ウイルスは目に見えない小さな存在ですが、人間社会や地球環境にとっては大きな存在です。

教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年4月17日

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