学校施設への不審者侵入事件が埼玉県で発生したのを受け文部科学省は3月17日、不審者の学校侵入防止対策の強化を図るよう、各教育委員会等に事務連絡を発出した。この機会に各学校では危機管理マニュアルの総点検の実施、校門等の施錠管理を支援するオートロックシステム等の整備を国の補助事業の活用によって充実することなどを求めた。
平時の備えとして登下校時以外の校門の施錠や来校者管理の徹底が必要で、防犯カメラ・オートロックシステム・非常通報装置等の整備について、文科省は今年度から3年間、集中的な支援を行うとし今年度当初予算323億円を計上。補助割合を3分の1から2分の1に引上げ、下限額を400万円から100万円に引き下げた。
さらにスクールガード(SG、学校安全ボランティア)の養成と資質向上等の事業を通して、地域ぐるみの学校安全体制を強化。補助事業には①スクールガード・リーダー(SGL)の育成支援(養成講習会の実施等)、②SGLに対する活動支援(指導等に対する謝金、巡回する旅費の補助、連絡会等の開催支援等)、③SGの養成・資質向上(講習会の実施、資料配布による見守りの質の向上)、④SG増員による見守りの強化・活動の支援(見守り活動にかかる帽子・腕章等の消耗品、ボランティア保険等の補助)を推進する。
また警察との連携は非常通報装置の設置だけでなく、学校や教育委員会と警察署が日常的に情報共有・相談体制を築き、連絡窓口となる担当職員の指定(夜間・休日を含む)などの体制整備を進めるよう指摘する。
学校の通学路の交通安全対策について、全国で7万6404にのぼる対策必要箇所のうち、2022年12月末時点で対策が講じられたのは6万1637箇所で80・7%だった。文部科学省、国土交通省、警察庁が連携して実施した小学校の通学路の合同点検のとりまとめから、実態が明らかになった。
全体のうち教育委員会・学校の対策必要箇所は4万568箇所で、対策済は3万9589箇所で97・6%だった。
全体の対策必要箇所の都道府県別数は、神奈川が最も多く5141箇所、また埼玉(4581箇所)、東京(4497箇所)、千葉(4044箇所)、愛知(4054箇所)、大阪(3891箇所)、兵庫(2867箇所)、福岡(2365箇所)など首都圏や中部・関西、九州の人口上位地域ほど多く存在した。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年4月17日