メンタルヘルス対策は、民間企業も積極的に取り組んでいる。離職防止やエンゲージメントの向上にも役立ており、学校現場で活用例もある。KAKEAI(カケアイ)が提供するクラウド面談支援ツールは、上司と部下が1対1で面談する「1on1ミーティング」を支援するシステムだ。
「1on1ミーティング」とは、上司と部下の定期的な面談。業務の会議とは異なり、部下の日常の困りごとの解決や成長支援、モチベーションの向上を目的に行われる。
しかし上司と部下の関係から、本音が言えない、心理的負担を感じる、コミュニケーションが対人力に依存するなど、思うような効果が得られないのが実情だ。
同社のシステムは、面談にかかる負担を極力減らすことに重点が置かれている。共有カレンダーにミーティングをする相手のスケジュールを確認しながら日程を設定。部下は事前に、何が話したいのか(トピック)と、トピックごとにどのような対応を求めるのかを選択する。はっきり言えない要望を、選ぶだけで伝えられるので本音で話しやすい。また事前に何を話すのかを整理することで効率よくミーティングが進められる。上司も事前に要求点が分かるので、適切な対応ができ面談の質が高まる。
「上司と部下の意思疎通がスムーズになった」「心理的・物理的な負担が減った」等評価は高いが、本音で話せるようになったことが最も大きいという。教育現場でも一部の私立学校で導入され、教員同士のコミュニケーションの向上に役立っているという。
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2023年3月20日号掲載